すらすら日記。

すらすら☆

好きな作品を応援する「作法」について。

webには無料の情報があふれています。

電子でつくられたものは簡単にコピーできますから、作者に無断でオリジナルをコピーし勝手にupしているものも。
コミックやアニメの分野では、そういう違法アップロードが大量に出回っていて問題になっていると聞きます。

読み手の方も、あまり違法だという意識もなく、なかにはSNSで作者本人に直接「アップロードされているの読みました!」とかやっちゃう人もいるらしいですね。

さて、私の娘たちも好きなコミックやアニメがあって、自分でも欲しいという話をしてくることがあります。
「パパ、ネットで探して~」って。

そんなときは、ブックオフとかで中古を安く買うのではなくて。

「気に入った作品があったら、コミックでもグッズでも新品で正規のルートで買いなさい。それでお金が作者のもとに行って、続きが期待できるようになる」

そんなふうに教えています。

「違法アップロードはダメだ」と頭ごなしに押し付けても、無料情報に慣れた世代にストレートに理解するのは難しいでしょう。


どうすれば、好きな作品を応援できるのか。

どうすれば、作品の作り手にお金を届けられるのか。

どうすれば、続きを描いてもらえるのか。



回り道でも、理解してもらえればいいな、と思っております。


「好きなことで生きていく」を支える人々について。

社会は、どんどん変化しているようです。

人口減少による日本の国力の衰退とか、AIによって仕事がなくなるとか。

「今までのままでは無理だ」、というのは誰しも感じているようです。

そのため、何か新しいこと始めようと呼びかける方々も目立っております。

会社に頼ることはない、スマートフォンでなんでもできる、好きなことで生きていけばいい、と。

私もそういう言説を書いた本を読んだりしました。

なるほど、書いてあることはもっともです。

しかし、何やら違和感も。

新しく変化しよう、と呼びかける人々は、今の社会に当たり前に存在している安定した電力の供給、蛇口をひねれば清潔な水がでる、スマートフォンの通信の確保、定刻通り運行される交通機関

変わろう、と呼びかけている場合でも、これらの基礎的な社会インフラの維持・整備は、「好きなことで生きていく」人とは別に、何も変化せずに安定して確保されていることが前提になっている。

その前提、明確に書かれていなくても、顔が見えない「誰か」がきちんと無言でやってくれている。

変わる人は、それに乗ればいいだけだ。

そういう暗黙の了解があるような気もしました。

いえ、社会インフラといえども、変わっていくはずなのに。

何か、他者と環境は固定されていて、自分だけが上手く波に乗っていけるのだ。

そんなに都合の良い話があるのでしょうか。

変わるのは、支えている人々も含めて変わっていくのではないでしょうか。


そんなことも、考えております。


通貨発行の簿記会計的なお話。

皆さんが持っている1万円札。製造原価はおよそ20円です。

なので、日本銀行は1万円札を刷るたびに、1万円と20円の差額、9980円を「通貨発行益」として得られる・・というお話を聞いたことがあるのではないかと思います。

仕訳を考えてみました。

日本銀行の1万円札発行仕訳
(借方)日本銀行券 10,000 (貸方)銀行券製造費 20

(貸方)通貨発行益   9,980

この仕訳では、日本銀行券は借方に来ています。資産の増加、という意味ですね。
日本銀行以外の個人や企業にとって、お金は資産=財産そのものです。何も間違っていないのでは・・と思われるかもしれません。

しかし、こちらに掲示されている日本銀行のバランスシートをみますと、日本銀行券は日銀の資産ではなく「負債」です。約100兆円、負債の部に計上されていますね*1
平成29年3月期 日本銀行決算(PDF)
http://www.boj.or.jp/about/account/data/zai1705a.pdf

この仕訳は誤りです。

こちらを読んでいたところ、この記述にも当たりました。

銀行券の額面と製造費の差額が通貨発行益になるという俗説は誤りです。例えば、日本銀行は1万円札を20円で仕入れて1万円で発行しているため、9980円を儲けているという説明は完全に誤りです

では、どういう仕訳になるのか。考えてみました。

貨幣発行を簿記会計的にお話いたしますと次のようになります。
仕訳は、すべて日本銀行の帳簿上で行われているものです*2

日本銀行は、銀行券製造費を計上して国立印刷局へ1万円札を発注する。

(借方)銀行券製造費 20(貸方)現金 20

銀行券製造費は、年間で518億円計上されています。
この時点では、日本銀行券はオフバランスであると推測されます。

②民間銀行は、預金者からの支払い要求に備えて、日本銀行に預けてある当座預金から、日本銀行券100億円を引き出す。

(借方)当座預金 100億(貸方)発行銀行券 100億円

この時点で、オフバランスであった1万円札が日本銀行のバランスシートの負債に計上されます。
当座預金も、日本銀行の負債に計上されています。
鏡として、民間銀行の資産にもなっています。
日本銀行から、お金(=日本銀行券)を引き出しできるのは、日本銀行当座預金保有している民間銀行のみですね。

なので、国立印刷局から受け取りした1万円札は、民間銀行から日本銀行への払い出し請求が唯一の流通ルートなるわけです*3

これが通貨発行の仕訳です。

では、通貨発行益とは・・こちらにあっさりと書かれています。
日本銀行の利益はどのように発生しますか? 通貨発行益とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こうした利益は、通貨発行益と呼ばれます。

ちょっと繋がりません。
こちらを繋げますと、②の仕訳で民間銀行から預かっている当座預金が借方に来ました。
次に、この仕訳が起きます。

日本銀行は、民間銀行が保有する国債100億を買いオペにより買い入れ、代金を民間銀行の当座預金へ振り込んだ。

(借方)国債 100億 (貸方)当座預金 100億

はい、②と③の仕訳を繋げると、当座預金は同額100億円が借方貸方で増減が消えてしまいます。
結果、この仕訳が残ります。

(借方)国債 100億 (貸方)発行銀行券 100億

これで、「お金を刷ることで、利息を生む資産=財産である国債を入手」できたことになります。
1万円札は、持っている人に利息を払う必要はありません。

ゼロ(20円の原価)で、毎年、利息を生む国債を入手できたわけです。

通貨発行益とは、国債などの資産から得られる収入から、1万円札の製造費用も含めた経費、日本銀行職員に支払われる給与、民間銀行へ支払う当座預金の一部に付される利息などの費用を差し引いて残ったものになるもの、ということになります*4

以上、簿記会計がわかると、もっともらしい話が実は誤りで、こんなふうに日本銀行の中で切られている仕訳も推測できるようになりますというお話でした。


*1:さらに、費用であり借方にくるはずの銀行券製造費が、貸方にきている時点でも仕訳がおかしいことがわかります。

*2:本記事は、公開されている日本銀行の財務諸表などの資料をもとに筆者が推測して記述したものです。いっさいの非公開の内部情報を含みません。

*3:金融政策の一手段として、ヘリコプターに乗って空から1万円札をばら撒けばいい=ヘリコプターマネーという言葉のイメージがありますね。そのイメージとは異なり、日本銀行は民間の個人や企業に直接、1万円札をバラまく手段を持っていません。

*4:国債は非常に低利になっていますが、民間銀行へ支払う利息よりもまだまだ高い利回りになっています。

コーポレートファイナンスのおすすめ入門書について。

ファイナンスの本というと何の説明もなしに見慣れない記号を使った数式がドーンと出てきて、理屈もわからず覚えさせられるか、そもそも数式が解けなくて挫折・・ということが多いのではないかと思います。

あるいは、数式は読めたものの、現実離れした仮定が置かれていてこんなの納得できなし実務にも使えない・・とか。
特に米国流の株主資本主義?や直接金融が前提があるので、こんなの日本の実情に合わない・・となってしまうかもしれません。

今日は私がいろいろ読んだなかから、挫折しないコーポレートファイナンス入門書としておすすめできるのをいくつか。

企業価値の神秘

企業価値の神秘

宮川先生の「企業価値の神秘」です。

とかく数式を示すだけで理由の説明が少ないテキストが多いなか、割引現在価値の考えから、WACC加重平均資本コスト、CAPMの意味と計算過程を「なぜそうなるのか」というコーポレートファイナンスの思考回路を自分のなかに作れるように丁寧に順を追って説明してくれます。
抜群の面白さです。
「現実感がない」というファイナンス理論への批判に対しても、現実の市場の不完全性によってどのように理論が修正されていくのか、きちんと「理論への批判には理論で」答えております*1
アマゾンがいつも品薄なので、楽天リンクも貼っておきます。
企業価値の神秘 コーポレートファイナンス理論の思考回路 [ 宮川 壽夫 ]

コーポレートファイナンス実践講座

コーポレートファイナンス実践講座

米国のテキストを翻訳したものでは日本の実情に合わない・・という声に対してはこちらを。
銀行融資がメインで、社債や株式による調達は少ない中堅規模の企業にぴったりだと思われます。法制度や会計にも目配りしていて、実務でわからないことがあったときに辞典のようにして使えるかと思います。
巻末にファイナンスで参考になるノンフィクションや小説、映画も紹介されています。
こちらも面白いです。

道具としてのファイナンス

道具としてのファイナンス

2005年出版なので少々古めですが、エクセルの入力方法まで丁寧に解説してくれるテキスト。まさに、道具としてファイナンスの理屈を実務で使える知識として身につけたい方に。
あくまで入門レベルですが、別売りの練習問題まで含めれば実務ではこれでじゅうぶんではないでしょうか。

コーポレート・ファイナンス 第10版 上

コーポレート・ファイナンス 第10版 上

  • 作者: リチャード・A・ブリーリー,スチュワート・C・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,國枝繁樹
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 単行本
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最後は米国の分厚い教科書を。
最初に紹介した宮川先生のゼミでも採用されている定番テキストです。
各巻800頁で上下巻で1600ページもありますが、数式の意味、展開から丁寧にくどいくらいに説明されております。
章末には簡単な練習問題もついていて、エクセルの入力方法も含めて学習できます。

私はまだ途中ですが、宮川先生の「企業価値の神秘」で分厚い教科書にも挑戦してほしいと紹介されていたので読み進めております。

入門編はこんなところで。
また学習が進んだら、次をご紹介します。


*1:エージェンシー理論、取引費用理論、所有権理論など。

租税法研究「はじめの一歩」に読むべきテキストについて。

お題箱経由で質問がきましたので、お答えします。
大学で租税法のゼミに入りたいと考えています。租税法を学ぶ上でまずこれは読んでおくべきというものがありましたら教えていただけると嬉しいです。

学部3年生でこれから租税法ゼミということであれば・・まずは租税法概説、所得税法法人税法から学ぶのではないかと思います。

ゼミの指定テキストがどの教授の手になるものになるかはわかりませんが*1、共通して基礎を作れるテキストをいくつか・・

①導入編

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超入門コンパクト租税法 [ 木山泰嗣 ]
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法学部で憲法民法、刑法など基本的な法学を勉強してきた学生が、専門課程で租税法を選択して学習を始めよう・・という時にいちばんやさしく学べるテキストです。
著者は税務訴訟を専門とする弁護士の木山泰嗣氏。青山学院大学法科大学院教授でもありますね。
話し言葉で平易に書かれていますし、250ページ弱しかありませんのでサクッと読めます。
租税法の「考え方のサワリ」を理解できます。

②入門編その1

租税法入門 (法学教室ライブラリィ)

租税法入門 (法学教室ライブラリィ)

kindle版もでました東京大学の増井良啓教授による「租税法入門」です。
もとは雑誌「法学教室」に連載されていた租税法入門の記事をまとめて編集したものですので、学部生向けの入門向けテキストとして相応しいかと。
しかし、入門=易しいではなく、かなり考え抜かれて厳密に書かれていますので、すぐには理解できなくても時々振り返って読み直すと新たな発見が得られるテキストだと思います。

③入門編その2

プレップ租税法 第3版 (プレップシリーズ)

プレップ租税法 第3版 (プレップシリーズ)

まさに学部3年生がゼミを選ぼうとするときに・・という設定で会話形式で進みます。これから同じく佐藤英明教授の「スタンダート所得税法」にも進めます。

④入門編その3

よくわかる税法入門 第11版 (有斐閣選書)

よくわかる税法入門 第11版 (有斐閣選書)

おなじくゼミが舞台ということになりますこちら。毎年、改訂版がでます。私の通った大学院の学部ゼミでもこちらがテキストになっていましたね。

⑤ちょっと応用編

租税法 (有斐閣アルマ Specialized)

租税法 (有斐閣アルマ Specialized)

今月出たばかりの岡村忠生京都大学教授の「租税法」です。
基本書ではありますが、入門書ではありません。
端書きにこうあります。

基本的であることと理解が容易であることはまったく無関係である。・・本書は妥協を排してて理論的に詰めた記述を目指した。・・一読すると難解と思われる箇所が生じているかもしれない

はい、かなり難しいです。岡村教授の執筆している第1章の概説部分が「何を言っているのか」が理解できるようになれば、入門者レベルを卒業できた、ということになるかと思います。

これらはいずれも法学分野としての租税法の入門書です。
税務申告実務を行うための計算規定については学べません。
それは会計学の一分野としての税務会計分野になりますので、また別の入門書がありますので、ゼミで学ぶことを確認の上、お選びください。


*1:通説である金子名誉教授(東大系)、清永名誉教授にはじまる京都大系の岡村教授などの学派がありますね。それぞれ微妙に学説に違いがあります。

巨大企業崩壊の悲劇は、一直線には進まないはず・・

本日のお題はこちら。
[asin:B075F72477:detail]

東芝については、「不適切会計」という奇妙な言葉から始まった不正会計に端を発し、原子力事業失敗に関連する巨額損失や経営迷走について、多くの本や記事が書かれてきました。

私もぜんぶではないにせよ、かなり読んできましたが・・

最初は、企業会計のテクニカルな話題から始まった東芝に関する書き物の種類は、

記者の個人的な価値観に基づいて歴代社長の人格非難に終始する感情的なもの、

会社法改正や東証ガイドラインなどの企業統治=コーポレート・ガバナンス改革の無力さ、

原子力事業をめぐる政治や官僚との暗闘を描くもの・・

それぞれの筆者の、それぞれの関心ポイントにより、文章の焦点の当て方は様々であり、なかなか東芝の崩壊に至る道筋は見えてきませんでした。


本書は、西室社長就任からはじまります。

米国の原子力事業会社ウェスティングハウス社WECの買収を三菱重工勢と競って「高値掴み」してしまいますが、買収価格を正当化するために強気の事業計画を立てるも、震災と福島第一原子力発電所の事故で一気に見通しが悪化。

原子力事業の損失計上を避けるため、あるいは損失を穴埋めするために強引な「チャレンジ」を強いていきます。

西室氏に続く4代の社長の焦り、財界への執着、功名心など、今日の崩壊に至るまで一つのストーリーとして帰結していくように描かれ、東芝の悲劇は避けられない必然だったのか・・とも読めました。

複雑な事件には意外にも簡潔な原因があり、一直線の崩壊へ帰結。

小説や映画なら、これでいいのかもしれません。


しかし、本書では脇役としか登場しない様々な人たちの役割や責任はどこにいったのでしょう。

東芝社内の幹部たち、三菱重工などのライバル企業、粉飾見逃しの責任追及を避けたい新日本監査法人、粉飾隠蔽の助言行為をしている疑いがあるデロイトトーマツ独占禁止法逃れスキームを構築する法律事務所、原子力事業をなんとかしたい経済産業官僚・・

それぞれの人々の思惑が複雑に絡み合って、悲劇は演じられているのではないでしょうか。


多くの事業・子会社を切り売りした東芝は、もはや従前の姿からは別の形に変わりつつありますが、半導体事業の売却についてはまだ終わっていません。

東芝の悲劇」も、まだ「完結編」ではないのでしょう。

ぜひ、続編を期待したいと思います。

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世界はより不平等になっている?

本日のお題はこちら。

大不平等――エレファントカーブが予測する未来

大不平等――エレファントカーブが予測する未来

本の表紙をご覧ください。

象が長い鼻を伸ばして持ちあげているかのようなグラフが描かれています。
これは、1988年~~2008年、ベルリンの壁崩壊のちょっと前から、リーマン・ショックで顕在化した世界金融危機までの間の時間軸で、世界の一人当たりの実質所得の伸びを、所得階層ごとに表したものです。

このグラフは、その形からエレファント・カーブと呼ばれます。
グラフが示している、象の鼻の先の部分は、所得階層のいちばん上にいる欧米日など先進所得の富裕層の所得の伸びです。
大きく所得を伸ばしていることがわかりますが、その絶対人数はとても少ないです。

象の頭の部分は、中国、インドなど新興国で従来、貧しかった人々が経済成長の恩恵を受け、大きく所得を増やしています。

象の鼻が地面について、垂れている部分。所得がぜんぜん伸びていない階層。
ここが、欧米日などの中間・下位所得層です。

1980年代末に冷戦が終わり、情報通信技術の発展と人の資本の移動の自由化=グローバリゼーションで世界はより豊かになりました。
しかし、経済成長の恩恵はすべての人々に平等に分け与えられたのではなく、富裕層がその半分弱を取り、残りは新興国がとり、先進国の中間下位所得層はよくて現状維持か、あるいは逆に所得を減らしています。

世界の不平等は、国と国の比較では解消に向かっている場合もありますが、それぞれの国の内部では中間層が所得を減らす一方で、富裕層への集中化が起きている。

経済成長が続いていた過去においては、分厚い中間層がいて、左右の過激思想を忌避して安定して統合された社会を維持されていました。

成長の配当の歪みで、安定した社会が維持できなくなり、社会が分断されて過激主義思想が広がっているという現実があります。

本書は、様々なデータを示して、この現状と原因を探っております。

難しい数式は登場せず、グラフと文章だけで論が進められますので、ごく初歩的な経済学の知識があれば、興味深く読み進められることと思います。

最後の章で、今後、世界の不平等は解消に向かうのか、その方法は何かについて簡潔に述べられています。
著者のミラノヴェィッチの見解は、あまり楽観的なものではありません。
教育投資と資産の相続で、不平等な状態が親から子へ固定されて受け継がれており、それを解消するのは政治の力でも難しいし、教育機会の均等化でも難しいと。

日本でも、政界も財界も親から子へ受け継がれる王朝化が進んでいる米国ほどではありませんが、富の集積が進みそれが相続されていくという現実があります。

富裕層の子は、富裕層のまま。
貧困層の子は、貧困層のまま。

政治の場で議論されている大学無償化などの改革では、これを解消するのは難しそうですが。
本書には、現実がどうなっていて、どうすればいいのかについて、考えるヒントがちりばめられております。

世に流布するポジショントークの波から離れて、不平等の問題を考えるたい方に、一読をおすすめしたいと思います。

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