アフリカの現実を知るために。
週末はいつも図書館巡りです。
3カ所の図書館、市立、県立、大学図書館を1週おきにぐるぐる回っていろいろ借りてきています。
図書館を巡る楽しみの一つとして、欲しい本を狙ってネット通販で買うのとは異なり、書棚を眺めて今まで知らなかった著者の本を手に取り、思いもよらず面白い1冊に出会うことも挙げられるかと。
なかなか面白い出会いは無いものですが、今週は1冊拾いました。
民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実
- 作者: ポール・コリアー,甘糟智子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/01/14
- メディア: 単行本
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アフリカ諸国の内戦、銃、民主主義、クーデターを冷静に描いております。
原題は「Wars,Guns,and Votes Democracy in Dangerous Places」です。
日本語タイトルは内容と合わず、煽り過ぎですね。
アフリカ大陸には言語や習慣で分けると約2,000の民族がありますが、国家は54しかありません。*1
アフリカ諸国は一国では公共財(電力や水道、公教育)を提供するには小さすぎるが、内部は民族的に多様すぎること。
権力を維持するための借款や重税が不可能になると「現金への課税」として紙幣を刷りまくってハイパーインフレーションを起こすことなど。
日本語タイトルとは異なり、経済の話はメインではありません。
著者は経済学者だそうですが、一面で「最悪の政権を追い出すためのクーデター」を肯定したりもしつつ、本書で描かれる悲惨さの集約として破綻国家コートジボワールの例をあげております。
アフリカの現実を知るために、面白い1冊です。
前に読みましたこちらも面白かったです。
援助じゃアフリカは発展しない
また、銃とアフリカに関してはこちらも。
カラシニコフ I (朝日文庫)
カラシニコフ II (朝日文庫)
援助やボランティアだけでは語れない現実の過酷さも読めると思います。