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ものづくりは偉い?

江戸時代、身分制度があった時代、士農工商という大きな四つの身分に人々は分けられていたと聞きます。
このうち、「工」というのは職人などのことで、同じ町人でも「ものづくり」をしている分だけ、他者が作ったものをただ売買している商人よりも偉い、という風に学校では習いました。

さて、時代は移りまして、明治維新後は、建前では「四民平等」ということで身分差別は無くなりました。

さらに時代は移ります。

日本商工会議所が主催する日商簿記検定では、2級から「商業簿記」と並んで「工業簿記」が出題されます。

このうち、工業簿記、というのは製造業の工場での原価管理などを念頭に置いた問題が出題されますね。
「ものづくり」です。
社会の産業構造は農業中心から工業中心へ、さらにサービス業中心へ移ってきたとも学校の授業では習いましたが、実務を重視しているはずの日商簿記検定でのこの製造業偏重の出題に疑問は感じないのでしょうか?

もちろん、実物を製造するメーカーが無ければ、商業(流通業)もサービス業も、そして金融業も成立ちません。

「工場が時価評価されて、包括利益が赤字なると勤労意欲が」*1とかいう電波ゆんゆんな発言は「ものづくりは偉い」という無意識の優越感が表れているのではないでしょうか。

そんなことを、虚業金融の私は想うのであります。

*1:IFRSにおいても有形固定資産の公正価値評価は例外で、採用している企業はかなり少数であることを申し添えます。

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