貸出金金利はどう決まる?
今日の市場経済ではあらゆる商品に価格が付きます。
買いたい人と売りたい人の価格が釣り合うところで・・
と教科書では教えられる訳ですが、
実際には需給バランスのみで決まるはずも無いわけです。
さて、金利の世界でも自然利子率(貯蓄投資を均衡させる実質利子率)
と言われるものがあるそうです。
いえ、こちらも実際には見たことはないのですが。
ここで事業者が銀行に対し、10年返済で借入金を申込みます。
仮に、2%の金利を銀行から提示されたとしましょう。
この2%は何で構成されているのでしょうか?
①銀行の預金調達コスト=0.2%
②銀行の経費(人件費・物件費・租税公課)=0.5%
③あなたの信用コスト(貸倒の可能性)=0.2%
④法人税等=政府・地方自治体の取り分=0.4%
⑤銀行の利益=株主配当+内部留保=0.7%
もちろん、数字は仮のものです。
実際はこのように「原価」を積み上げて貸出金利を
決定しているわけではありません。
他の銀行との競争などもあり、不採算の金利でも
シェア維持のために貸出を行うこともあり得るわけです。
また、信用コストは最大の不確定要因であり、
これは過去の貸倒実績によって決められているだけで
将来の貸倒率を予想(期待)して
見積りしているわけでは無いわけです。
これからの銀行経営は、将来のリスクをどう管理して
自らの自己資本に照らしてうまくコントロールして行くかで
左右されていくとも聞きます。
なかなか、難しそうですけどね。