中止を命令されないと・・
帝政ロシア、エカテリーナ女帝の時代の話と聞きます。
ある朝、宮廷の庭の池のほとりに、
一輪の可憐な花が咲いているのを見かけた女帝は、
その花が踏まれたり抜かれたりしなよう、
衛兵に着剣して見張りに立つように命じたそうです。
その後、毎朝着剣した衛兵が
池のほとりに見張りに立つことになりました。
やがて季節は巡り、花は枯れて池が凍りつくようになっても、
中止を命令されていなかったので
毎日毎日、衛兵が着剣して池のほとりに立っていたとか・・
女帝自身は、命じたことを忘れてしまったとも。
この話をどう聞くでしょうか。
帝政ロシアのツァーリの絶対権力の凄さか。
考えることができない衛兵の哀れさか。。
さて、時代は巡りまして、平成の御代の日本です。
「なんでこの書類を申告書に添付する必要があるのかな?」
「いえ、添付するように引き継ぎされたので・・」
そう聞いて調べました。
なんと、10年以上の前の税制改正で
「添付不要」となったことがすぐに判明しました。
その不要な書類を作るために、
他部門の方に余計な作業をさせていたことになります。
不要な書類作りは、
真冬のペテルブルクで着剣完全武装で
一日中見張りに立つよりも、
辛くはないかもしれません。
あなたの身の回りに、中止を命じてくれる上司はいるでしょうか。