めんどくさいし、疲れるけど。
どちらかというと、私個人は公平よりも効率を求める方です。
結果の平等ばかり一方的に要求する方々には、
ほとほと、うんざりしておりますが・・
- 作者: 湯浅誠
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/08/21
- メディア: 単行本
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自らを「社会活動家」と自称する湯浅氏は、
著書「反貧困」や「年越し派遣村」で一躍、有名となり、
内閣の参与(アドバイザー、助言役といった役職。非常勤国家公務員だそうです)も勤めたりしました。
この本のタイトルにある「ヒーロー」とは、
大阪市長・橋下氏を念頭においていますが、
橋下氏個人ではなく、橋下氏のような「問題を一気に解決することを約束するリーダー」を生み出した土壌(空気、か)を指しております。
経済成長が見込めず、閉塞感ばかり強い社会において一挙解決願望が広まっていますが、民主主義とは、「手間が掛かり、面倒くさくて、疲れる」ものだと繰り返し述べています。
得てして、「社会活動家」の集団は自分たちの仲間内だけに通じる言葉だけで会話し、それを受け入れない方には「無理解だ」「これだからダメ」みたいなレッテルを貼り付けて非難してきます。*1
湯浅氏は、内閣府(行政組織です)に入って、意見の異なる人々と民主主義的に調整して、できることを目指していく、ということを体験し、「めんどうくさいし、疲れる」との実感を得たそうです。
そして、主権者である国民はこの「面倒くさいプロセス=民主主義」から降りることはできない、と結んでいます。
私は、湯浅氏の意見に全面的に賛同する立場にはありません。
しかし、少なくとも話し合いの相手にはなるのではないでしょうか。
面倒でも、自分には何ができるのか、続けて考えていきたいと思います。
*1:「休眠預金」関係で、一部勢力が金融業界へ向けている批判に典型的に見られます。