世の中を二分法で切り取れるのか?
本日のお題はこちら。
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: 新書
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社会の上位1%の富裕層と巨大企業が
豊富な資金にものを言わせて
立法過程までコントロールし、
99%の貧困層から搾取する、という図式。
スティグリッツなども主張する米国社会の構図です。
著者が記述することが事実ならば、
もはや米国は「1%」に「私物化」されていることになります。
私は遺伝子組み換え食品問題などには
ぜんぜん知識がないので、
著者の描写する事情が事実かはまったくわかりません。
農作物の商品先物市場の批判個所については、
「先物=悪」という図式で、それに並べて
デリバティブもインデックスファンドも
すべて投資銀行の投機バブル、などという
意味不明のレッテル貼り的批判をしており、
他の私が知識が無いため真偽を判断できない
個所の信頼性にも疑念を感じてしまう印象を
受けました。*1
米国社会は、世界はそんなに単純な図式に
切り取れるのでしょうか?
社会の多様性を否定してしまう
グローバル企業による世界のフラット化を批判するために
自分自身が二分法に落ち込んでいるのではないか。
自分の考えに似た主張の本だけを読んで
「自分の考えを確認」するためではなく、
地道に世界を知るために
またいろいろ読んでいこうかと思います。