すらすら日記。

すらすら☆

ゼミナール現代会計入門・演習課題(その4)

ゼミナール現代会計入門 〈第9版〉

ゼミナール現代会計入門 〈第9版〉

続きです。
本日のお題は第5章「損益計算書のパラダイム」です。


問題①
収益の認識基準として考えられるものを挙げ、それらのなかで基本的な認識基準として採用されているのはどのような基準か答えなさい。また、なぜその基準が採用されるのか説明しなさい。

収益の認識基準としては、販売基準、代金回収基準、回収期限到来基準、工事進行基準、受託先販売基準、買取意思表示基準などが挙げられる。
その中で収益の認識基準として基本とされるのは、実現したものだけを収益として認識する販売基準による実現主義である。企業会計原則にも「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の提供の給付によって実現したものに限る。」と実現主義を指示している。
実現主義の「実現」とは、販売という事実であって現金の受領事実ではない。実現主義である販売基準によって収益が認識される理由は下記の3つである。
1.財務的裏付けの存在。販売基準であれば、現金の回収はなくても売掛金などの確実な財務的裏付けが得られるためである。
2.客観性の存在。販売基準によれば購入先という第三者との取引であり、取引を証明できる資料が存在することから客観性がある。
3.信用経済の考慮。販売基準は現金回収の有無を考慮に入れないので、企業の掛け販売のみならず個人でもクレジットカードによる購入など信用経済が主流となっている今日の経済社会の実情に適合している。




問題②
資産の費用化プロセスについて、製造業を例にとって論じなさい。


資産の費用化プロセスとして、棚卸資産と固定資産に分けて論じる。
製造業における棚卸資産は、さらに仕掛品と製品に分かれる。仕掛品は製造途中の半製品であり、当期の製造原価に含まれるものだけが費用として認識される。また、製品は当期に販売されたものだけが売上原価に含まれて費用認識される。
 固定資産は取得時(現金購入・自家製造にかかわらず)には費用認識されず、見積もりされた耐用年数にわたって減価償却という形で費用認識される。その際に採用される減価償却方法は、固定資産が減価していくと見積もられる方法に応じ、定額法、定率法、級数法、生産高比例法などが採用される。



問題③
費用収益対応の原則とは、一般的に収益に費用を対応させるものだが、それとは逆に費用に収益を対応させる場合がありうるか、あるとすればどのようなケースであるか検討しなさい。


 「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準15号)では、工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合は、工事進行基準の適用が義務付けられる。この際、工事収益総額を工事進捗度に応じて見積もりし、収益と費用を計上することになるが、この方法として、基準15項では原価比例法が例示として挙げられている。
 つまり、工事原価(費用)に応じて工事収益を認識するケースとなる。

すらすら日記。は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。