すらすら日記。

すらすら☆

税金を払わない者への義憤と、その解決策は・・

本日のお題はこちら。

タックス・ヘイブン*1とは、南洋に浮かぶ椰子の木の島国というイメージでしたが、ケイマン諸島のようなイメージ通りの国だけではなく、オランダ・スイス・リヒテンシュタインのような小国、あるいはロンドンやニューヨークのオフショア金融センターもそうである、ということから説き始めます。


武富士事件やオウブンシャHD事件、某銀行外国税額控除事件、FATCAなど国際税務に関心を持つものならよく知っている事項がたくさんでてきますが、これは前提知識が無いと理解は難しいかもしれません。



筆者は大蔵・財務官僚として長らく国際税務の現場にいた方で、タックスヘイブンに対する義憤から、時に筆が滑って金融業全般を非難したり、日本の国税当局や裁判所の理解不足・能力不足を嘆いたりもしておりますが、交渉当事者であっただけに「生」の現場の様子を興味深く紹介しております。


なぜか、本筋のタックスヘイブンとは無関係な戦争やテロ現場の緊張感とかの記述が面白く、一気に読めてしまいました。


時にタックスヘイブンやそれを擁護しようとする英国や金融業界への怒りから感情的な記述も散見されます。タックスヘイブンを利用した租税回避の解決策については特効薬も無さそうです。
新書サイズという制約のなかで、これだけ書けたわけですので、ぜひ専門書を(冷静な筆致で)執筆されることを期待したいと思います。

*1:税金が無いか、ほとんどかからない国々。租税回避地。税法では軽課税国と

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