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マイクロファイナンスの魔法の杖の神話とその実態は・・

本日のお題はこちら。

世界は貧困を食いものにしている

世界は貧困を食いものにしている

マイクロファイナンスの神話は次のようなものです。

1日中お針子をして働いて稼いだわずかなお金を、すべて村の高利貸に金利として取られて、いつまでも貧困のままだった貧しい女性がおりました。
ちょっとまとまったお金があればミシンが買え、高利貸に苦しめられることもなくなるのに、銀行は貧しく担保も持たない彼女に融資してくれません。

しかし、マイクロファイナンスが、ちょっと金利は高いけれど、まとまったお金を貸してくれ、彼女はミシンを購入、自分で作った衣服を売りさばいて借入を返済し、さらに利益も得て貧困から脱出することができました。

こんな美しいストーリーはよく知られています。

しかし、本書はこんな成功例はごくごく稀で、そもそもマイクロファイナンスは上記のような起業資金として使用されるケースは少なく、大部分はテレビやDVDプレイヤー購入などの消費資金に充てらている、と。

さらに、20~30%程度の「適正な」金利ではなく、60%以上、あるいは年利100%を超えるような略奪的な金利、強制天引き貯金、返済が滞った場合の強引な取り立てなど、「村の高利貸」が備えていた悪徳を組織的に行っているマイクロファイナンスが多数あると。

マイクロファイナンスは、最初にあげたような「美しい話」で多額の投資資金・寄附金を集めています。
しかし、残念ながら年利60%以上の金利でテレビを購入しても、貧困からは脱出できません。

ここにも、魔法の杖は無いようです。

本書は翻訳があまりよくなく、一部意味が取れない文章や直訳調の個所もありますが、マイクロファイナンスをめぐる様々な実態を知らしめてくれます。




~追記~
いくつかご意見をいただきましたので、リンクを貼っておきます。
マイクロファイナンスで借金苦には陥らない

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