すらすら日記。

すらすら☆

kindle版で読む会計不祥事における人間模様。

東芝はようやく決算の訂正を終えたようです。

大きな粉飾事件があると、ジャーナリストによって取材された事件の深層がまとめられたり、当事者による反省と自己弁護が奇妙に混ざり合った回想が書かれたりも。

粉飾決算とその発覚による社会的指弾という修羅場の中では、人々の赤裸々な「本性」があきらかとなり、様々な人間模様が見てとられるので、なにか事件があるとよくその手の本を読んでおります。

kindle版で手軽に読めるようになりましたので、過去に面白ったものをいくつか。


まずは、 高橋篤史氏によるこちら。
かなり古い話になりますが、中央青山監査法人崩壊の原因となったカネボウの粉飾事件や、あのライブドア事件について書かれております。

粉飾の論理

粉飾の論理

つづいて同じく高橋氏による「凋落」。
日本初のペイオフ発動となった日本振興銀行の元日銀エリートの木村氏と、SFCG(旧商工ファンド)の経営者で商工ローンで巨万の富を築いた大島氏の交錯を描いております。

凋落 木村剛と大島健伸

凋落 木村剛と大島健伸

いわゆる●株のお話も面白いです。

兜町コンフィデンシャル

兜町コンフィデンシャル


第三者委員会報告書の「サラリーマン根性の集大成」ということばが印象に残っております。オリンパス粉飾決算の際の英国人社長、ウッドフォード氏の回想。同氏は社長ですが、粉飾にはかかわっておらず、不正に気付いて追求しようとして解任されます。
不正発覚前後の内部での闘いと、解任後の告発について。

解任

解任

ジャーナリスト山口氏によるこちらもkindle化はされていませんが、おすすめです。

サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件

サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件


粉飾決算ではありませんが、巨額年金資産消失事件のAIJ事件で、同社の企画部長を勤めていた方の回想。

こちらは当事者の回想であるにも関わらず、「真相はわからないまま」というもやもやした状態は読む前と変わりませんでした。
あまりに安易に「騙されていた」というのはほんとうなのか。自己弁護なのか。


甘味料トレハロースの開発など、高い技術力で有名な林原。
非上場の同族会社であり、株主総会や取締役会もいっさい、開かれておらず、大企業としての規模を持っていたため法令で義務付けられていた会計監査も行われておりませんでした。
技術畑の兄が社長で、弟が専務として資金繰りなどの実務を仕切っておりました。
技術開発のための投資失敗を隠すためなどから粉飾を行うようになり、2010年に発覚して破綻。
こちらは兄社長の回想。

林原家

林原家

自己正当化などを強弁すること無く、淡々と書きつづられておりました。

弟氏の「破綻」はkindle化されておらず、未読なので、タイトルのみで。
破綻──バイオ企業・林原の真実


東芝の経営陣は、訴訟対策なのでしょうか、奇妙な自己弁護をまじえた会見の後、あっさりと退陣してしまいました。
決算訂正は終わりましたが、東証などからの処分はこれからです。

去った当事者、残った当事者は何を語り、何を語らないのか。

今から、期待しております。

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