住宅ローンで人生が「詰んでしまう」という状態になる前に。
課題図書の2冊目を読み終えました。
- 作者: 垣谷美雨
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: Kindle版
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小説はかなりドキドキしながら読み進めました。
まだお読みになっていない方も多いと思いますので、ネタばれ内容の紹介は控えます。
私は金融の人なので、住宅ローンと住まいについて感じていること、この小説を読みまして改めて考えたことを少々。
住宅ローンの返済は、毎月、決まった額を支払わなきゃなりません。*1
それを25年~35年という長い期間に渡って支払い続けなきゃならないわけですが、給与所得といえども安定した収入をこんなに長い時間、確保し続けるのはこの経済社会情勢の下、なかなか難しい。
それに住宅ローンの他にも自動車の買い替えやら、教育資金やらで他にもいろいろな支出が重なる時期も。
そんな時にリストラにあって、給与が激減したりすると・・配偶者のパート収入や多少の節約などをしてもとうてい追いつかない。。
50代ともなると収入が増えるような転職も難しい、配偶者のパート収入じゃぜんぜん足しにもならない、援助してくれるような両親もいない・・
そして、最後の手段として住宅を処分しようとしても、大きく値下がりしてて、売ってもローンを返済しきれない。
こうなると、人生が住宅ローンのために「詰んで」しまうわけです。
小説のなかでは、住宅ローンの貸し手である銀行はぜんぜん、相談に応じてくれないという設定になっておりました。
しかし、本当に切羽詰まって延滞が始まってしまう前なら、銀行は相談に応じてくれます。金融円滑化法は平成25年3月で終了していますが、その後も同法の精神のとおり返済が困難になってしまった場合は柔軟に相談に応じてくれるはずです。
上記は東京三菱UFJ銀行の例ですが、これは全国の銀行どこでも同様です。
身の丈に合わない高額な住宅ローンを組んでしまって、返済が苦しいって悩んでいる方も、本当に人生が詰んでしまう前に。*2