美しさは罪?あるいは、ブサイクは政府が救済すべきか。
本日のお題はこちら。
- 作者: ダニエル・S・ハマーメッシュ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: Kindle版
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経済学の手法を使って、結婚や家族のあり方、ギャングの若者の行動、人々の差別意識など、一見、人間の心の持ち様のような分野で、経済学とは関係なさそうなところまで分析してみせるというのが行われるようになって久しいです。
これを当時は他分野への侵略だということで「経済学帝国主義」だとも呼ばれていたそうです。
この「美貌格差」は、見た目が美しい方が収入が高くて、ブサイクだといろいろな面で差別を受けるという身も蓋もない話を経済学の考え方を使って紹介しています。
「整形手術で容姿を改善しても、得られる経済的な利益は手術にかかるお金には程遠く、ましてや手術を受けて心にかかるコストつまり痛みや苦しみたるやまったく見合わない」 (((((( ;゚Д゚)))))) 美貌格差―生まれつき不平等の経済学 http://t.co/6f98Hlg524
— すらたろう (@sura_taro) 2015, 10月 3
こちらの整形手術の効用から、
美しさと醜さによる格差は男女どちらに大きく作用するのかとか。
見た目が稼ぎに与える影響は不況の時の方が大きいとか。
明らかに差別を受けているブサイクを救済する政策を実施するべきなのか。*1
などなど、面白いエピソードが山盛りです。
経済学の本とはいいましても、一般向けに書かれたやさしい本なので統計データや数式はいっさい、登場しません。
さらっと読めますし、経済学の初歩がわかっていればより面白い本ですね。
*1:希少な政治資源をブサイク救済に用いれば、他の弱者への支援は当然、減ることになります。ブサイクを救済することによる社会的厚生の増加と他の支援減少の不効用と・・という議論が起きそうです。