あなたのお金は、どうやって相手に無事に届く?
本日のお題はこちら。
- 作者: 木下信行
- 出版社/メーカー: 金融財政事情研究会
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: Kindle版
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今日、買い物をしても、その場で現金と交換に商品を受け取るというのはだんだん減ってきているのではないかと思われます。
品物はその場で受け取るか、あるいは通販なら宅配便で送られてきて、代金は別途、クレジットカードで決済するか、コンビニ振込にするか、あるいは分割で預金口座から引き落としというケースが増えてきているのではないでしょうか。
現金で買うのが当たり前だったスーパーやコンビニでもクレジットカード決済や電子マネーでの決済が増えていますからね。
本書は、安全な決済(お金の受け渡し)は空気や水のように当たり前に存在しているものですが、実は精緻なシステムと多くの人々の努力に支えられているということを詳しく解説しております。
日本における決済は、長らく銀行預金を通して行われるのが多かったのですが、流通業界などで銀行口座を通さずに独自の電子マネー決済が進んでいます。
また、銀行振り込みに頼る部分が大きい未だに企業の売掛金決済では、銀行が資金と同時に送信できるデータ文字数が少ないため、「消し込み」という事務負担がかかっていることも。*1
また、金融緩和が決済システムに与える思わぬ効果や、諸外国の決済事情、最後にビットコインなど「暗号通貨」のお話まで紹介しております。
金融業界の方で無くとも、経済学や金融について初歩的な知識があれば、さらに面白く読めるかと。
なお、よりやさしく決済の仕組を学べる入門は日本銀行HPのこちらもお勧めします。
決済の原理 :日本銀行 Bank of Japan
*1:ドイツなどでは、銀行振込でも決済システムの進歩によりこの問題は解消しているそうです。また、日本でもコンビニ収納で消し込みの自動化が達成されている決済方法があるとか。