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すらすら日記。

すらすら☆

長い目線の企業投資に、短期間の決算は本当に必要?

日本の企業内容開示制度は米国の影響が強いと言われております。
特に、3ヶ月ごとに決算を行って財務内容を開示する四半期決算(四半期報告制度)は、米国にならって導入されたものとされます。

昨今、話題になっているコーポレート・ガバナンスコードや、スチュワードシップ・コードは、米国だけではなく、欧州の経験からも影響を受けています。
両コードを繋ぐものとして企業と投資家の望ましい関係構築を提言し、その中で上場企業は「ROE8%以上目標とすべき」として話題になりました「伊藤レポート」ですが、こちらは英国で公表されたケイ報告も参照してつくられました。

伊藤レポートはこちらですね。www.meti.go.jp


本日は、こちら*1を参考に、ケイ報告書と四半期決算について。

ケイ報告書とは、LSEのジョン・ケイ教授が英国政府(ビジネス・イノベーション・技能省)から、英国株式市場の現状と上場企業のコーポレート・ガバナンスの状況についての調査報告するよう要請を受けてまとめた報告書で、2012年に公表されたものです。

ケイ報告書は17の勧告からなりますが、そのうち、投資情報開示について3つ、勧告がなされております。

3カ月ごとの企業内容開示が、極端な短期間で投資成果を得ようとする過度なショート・ターミズムを助長しているとして・・・

①期中経営報告制度を止めること
②企業による短期的な業績予想開示を止めること
③高品質で簡潔な報告を推薦

ケイ報告書は英国政府から支持され、さらに、EUではこれを受けて2013年11月に「透明化指令」が発せられ、2015年11月以降から期中経営報告の義務は廃止されることとなりました。*2

伊藤レポートでも、ケイ報告書を参照しつつ、四半期決算制度のいい面・悪い面を論じていますが、企業側、投資家側、アナリストなど様々な利害関係者の意見を入れているため、両論併記になっていますね。

ポジショントークになりますが、四半期決算制度はかかる費用の割に効用が少な過ぎると感じております。

ましてや、それで投資判断されちゃ、たまらないところです。

長い目で企業を見るために、3カ月毎の短い期間での決算は本当に必要なのか。
ここは、ひとつ欧州の知恵も参考にして欲しいと感じております。


*1:本書は実務書では無く、コーポレートガバナンス、スチュワードシップ、伊藤レポートやその背景を論じたものなのでやや学問的興味のある方向けではないでしょうか。現在、kindle版50%ポイント還元セール中です。

*2:期中経営報告ではもともと財務諸表の開示は無い。EUでも年度・半期の財務報告はあり、また、EU規制市場ではなくもともとの各国別の法制度や取引所規則によって四半期報告制度がある場合も。英国では法令に基づく四半期報告制度は無いが、例えば、フランクフルト取引所(プライムスタンダード。400銘柄弱)では四半期財務諸表の報告義務あり。EU規制市場とは、EU域内に効率的で透明な統合された単一の証券市場を実現するというコンセプトに基づき、投資者保護、情報開示、及び業者・市場規制その他の幅広い分野でルールの共通化がすすめられており、EU規制市場とはそうしたルールが適用される市場を示す。注記は経済産業省HP、金融庁HPを基に作成。

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