ポイントに釣られて買い物しちゃうのは・・
先日、エヴァンゲリオンのコミックが92%OFFの1冊50円、全14巻でも700円というすごい割引セールをやっていたので、私もまとめて購入してしまいました。
セールは11月26日までということでしたが、昨日、見たら、値段が626円に戻っていまして、その代わり92%のポイント576円が付きます!という形に変更に。
新世紀エヴァンゲリオン(14)<新世紀エヴァンゲリオン> (角川コミックス・エース)
- 作者: 貞本義行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/11/20
- メディア: Kindle版
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626円で購入して、576ポイントが付くんだから、やっぱり50円じゃないの?と不思議に思ったんですが・・??
ポイントと現金値引き、どっちが得かという話題がありまして、現金値引き主義のケーズデンキではこんなページも作っています。www.ksdenki.com
このページの主張は、「ポイントで買い物してもポイントが付かない。しかもその店でしか使えず、有効期限がある。だから現金値引きの方がお得!」ということのようですね。
でも、Amazonのポイントは、ポイントで購入しても付与されるようなので、この主張は半分しか該当しません。こちらですね。amzn.to
その他には、行動経済学でいうところのなんとかバイアスが働いているんだ!君は錯覚しているんだなんていうのも見つけましたが、よくわかりませんw
私は会計と税法の人なので、Amazonの会計処理を推測してみます。
先ほどの、1冊50円の場合は、仕訳はこうなります。*1
(借方)売掛金 50/(貸方)売上 50
多くは、クレジットカード決済ですので、売掛金(未収金)でしょう。
さて、626円で売上して、576ポイントの場合は・・
パターン①
(借方)売掛金 626/(貸方)売上 626
(借方)ポイント引当繰入 576/(貸方)ポイント引当 576
または、
パターン②
(借方)売掛金 626/(貸方)売上 626
(借方)売上値引 576/(貸方)ポイント引当 576
いずれも、ポイントが使用された場合に、ポイント引当を取り崩して売上に振替するんじゃないかと。
パターン①だと、売上は626円です。パターン②だと、売上値引が差し引かれてしまいますから、売上高が50円になりますね。
会計処理において総額主義(売上と費用は相殺しない)ということを重視するのか、純額を重視して相殺するのか。
これは日本基準では明確な決まりがありませんので、各社バラバラのようですね。
ケーズデンキとは異なり、ポイント還元をしているヤマダ電機では、パターン①の処理をしているものと推測されます。
27年3月期有価証券報告書によりますと、ポイント引当金を207億円計上しておりますね。
売上高は1兆6千億円ですから、あまり重要性は無さそうにも見えます。
注記にも書きましたように、Amazonは米国企業ですので、上記とは異なる会計処理をしているかもしれません。
米国基準や米国での実務には詳しくないので、推測はしないでおきます。ご容赦のほどを。
こんな想像ができるのも会計の知識があればこそです。
でも、ポイントに釣られて、不必要なものまで買わないようにしたいですね。
*1:Amazon.comは米国企業であり、日本法人は存在しません。日本での売上も米国会計基準に従って処理しているはずですが、ここでは日本の会計基準を前提として書いております。