すらすら日記。

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年末年始に読みたいおすすめ本5冊。(小説・コミック編)

本を読んで空想ばかりしている子でした。

いえ、もうおじさんですが、本を読んで空想ばかりしているのはあまり変化がないのかもしれません。

おすすめ本で5冊に絞り込むのは難しく、だいぶ考え込んでしまいましたが、自分の読書の傾向を振り替えるに、「ここではない、どこか別の世界のお話」を読んで空想するのが大好きなのではないかと思い当たり、その線に沿いまして、ご紹介いたします。

まずはメジャーどころから。

現代の日本を遠く離れた異世界ということで・・

中央アジアシルクロードが舞台で、時代的には19世紀末くらいなんでしょうか。

マンガ大賞をとった有名な作品ですし、ネタばれ的なストーリー紹介は控えますが、とにかく絵が綺麗、キャラが魅力的・・私がいいなあ、と思ったのが背景や登場人物の心理について、説明は少なくて表情と絵の描写で描いていく、という感じの部分ですね。

眺めているだけでもその絵の美しさには惚れ惚れしますが、ストーリーも良いです。

何度も読み返す価値がある作品だと思います。


現実世界にも抑圧があり、日々生きている中で人間の愚かさや嫌な部分もさんざん、目にしているわけですが。
さらに、それを極限まで大きくしたような悪夢のような世界。
「1984年」「動物農場」、「農民ユートピア国旅行記」「すばらしい新世界」など、ディストピア小説を好んで読んできました。

この「高い城の男」もディストピア小説の一つになるのかもしれません。

第二次世界大戦枢軸国側が勝利し、日本とナチス・ドイツに分割支配されているアメリカが舞台。
さらにその世界では、もし連合国側が勝利していたら、という小説がひそかに読み継がれているという。架空世界中の架空作品が登場します。
さらに、人々は東洋の易経で行動指針をたてている・・ディックの小説はストーリーが混乱しているものも多いのですが、本書もなかなかいろいろな読み方があるのではないかと思われます。

一時、バブル崩壊前、日本経済が果てしない高みに登り、日本が世界を制覇する・・という近未来小説や映画がさかんに作られました。
ブレードランナーの近未来都市にも謎の日本文化が描かれていましたが、西洋から見た日本は、やはり異世界なのかもしれません。


世界終末戦争

世界終末戦争

ラテンアメリカって、旅行したこともありませんし、歴史や社会の様子を学校で詳しく習ったこともなく、小説の中でしか知りません。

その小説の中で描かれるラテンアメリカの姿は、スペイン・ポルトガルの植民地支配によりもたらされた「文明」、先住民の魔術的な文化、スケール違いの権力を振るう独裁者、共産主義や神学の思想に基づく武装したゲリラたち・・現代の日本に暮らす私には見たこともないものばかり。

ラテンアメリカには、それらが混合した異世界のような魅力があります。

ラテンアメリカ文学で1冊だけあげるとすると、この「世界終末戦争」でしょう。

19世紀末、ブラジルで実際に起きた「カヌードスの反乱」がもとになっています。

イエス・キリストの再来を思わせる放浪の聖者の下に、近代化しようとするブラジル社会に受け入れられない多種多様な社会不適合者たちが集まり、カヌードスに一種の理想郷をつくろうと試みます。
しかし、社会を統合しようとするブラジル政府はその理想郷を認めません。
弾圧に差し向けられたブラジル国軍と、聖者の下にある反乱軍との間で容赦なき戦いが繰り広げられ、様々な人生が交錯する・・という一大物語です。

上下2段組みの細かい活字でびっしりで、700ページ以上あります。
ストーリーも時系列が順番どおりでありませんし、登場人物も多種多様なので、決して読みやすい小説ではありませんが、いったんその世界に引き込まれれば、寝食を惜しんで読まざるを得ない面白さですね。




なんでも読みます。
ライトノベルも大好きですが、ラノベに関しては異世界冒険譚俺お強い系はさっぱりでして、まったり日常系ラブコメがどちらかというと。

「花咲けるエリアルフォース」、例外的に異世界系ラノベで好きな作品です。


主人公の少年が操る桜花っていう名の戦闘機。

ヒロインのオーバー二ーソの女の子は「姓をもたない」ということで皇族・・?

桜花といえば、一式陸攻にぶら下げられて出撃し、最後は母機から切り離されて敵艦に体当たりするロケット攻撃機、人間爆弾の名前ですね。
軍国日本の特攻やナチズムは、人間の作りだしたものであり、「狂気だ」といって切り捨てることはできません。

でも、この桜花という兵器は「狂っている」としか表現できない存在ではないかと。

と、作品中の「桜花」は体当たり攻撃では無くて桜の花びらのサイコミュみたいな武器で戦うのですが、敵機を撃墜したときにパイロットは「痛い」と感じる・・じゃなかったかな。

ストーリーも詰め込み過ぎ、キャラもうまく描けていないとか、良くない評価も聞きます。

続編も出るとかいってさっぱりなのですが・・個人的には好きな作品です。
ぜひ、続き出してください。


メルニボネの皇子

メルニボネの皇子

最後はこちら。エルリック・サーガです。
ファンタジーといいますと、コナン・ザ・グレートのように筋骨隆々の戦士が力任せに剣を振るって財宝と美女を略奪するみたいなヒーローが登場しますが・・エルリックは生まれつきアルビノ*1であり、魔法と薬品の力を借りなければ一日も生きられないという異色の主人公。

人の魂をすする魔剣ストームブリンガー、混沌の神アリオッチとの契約とか・・作りこまれた世界観は厨二心を刺激することはなはだしく。

高校生の頃は、毎日耽読してました。

今は新訳されてアリオッチも「アリオッホ」になっているし、天野嘉孝の表紙じゃなくなってます。

エルリックだけじゃなくて、作者ムアコックエターナル・チャンピオンシリーズは全部、文庫本で持っているのですが、kindle化されて時系列順に整理されているとか。

少年の日を思い出すために、また読み返してみたい一品ですね。


*1:メラニンの生合成に係わる遺伝情報の欠損により 先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体。wikipediaより。

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