「民主主義」って、何か理解しているつもりの方にも読んで欲しいお話。
本日のお題はこちら。
代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書)
- 作者: 待鳥聡史
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/11/21
- メディア: 新書
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中学~高校で公民や政治経済という科目を履修してきて、民主主義の理念や制度も習いました。
その後の制度改正や日々の動向も報道で見聞きしていますし、毎回の選挙にも投票に行っている。
そして、それぞれの社会問題についてもなんとなくでも政治的意見を持っている。
市民として、民主主義というものを理解し、そのうえで参加しているつもりでしたが。
みんな、それぞれ自分なりの「民主主義」の定義があって、現状がそれに合わないって不満を述べているだけかもしれません。
そして、一部では、自由と民主主義は一体であるかのように考えられています。
でも、本書で繰り返し説かれているのは・・
自由主義は権力を分割して競争させて、権力の暴走を制限するものであり、
民主主義は民意を政策に反映させることをまずもって追究することで、
そのバランスをどこで取るか、ということが重要であるということです。
代議制民主主義が機能不全を起こしているという指摘はそこかしこで聞こえますし、一部ではこれを全面否定するかのような勢力も。
否定勢力の意見は、得てして現行制度の自由主義と民主主義のバランスを大きく崩そうとするものであり、その帰結についてはあまり考えられていません。
街頭や論壇でしたり顔で叫ぶ一部勢力の耳触りの良いことばを聞く前に、市民としてこのくらいは知っておくべきだな、と考えさせられる1冊です。
一読をおすすめします。