鏡の中の半分の自分に傷つきながら生きているというお話。
他人同士だった男女が出会って、やがて子どもが生まれると、それは半分だけ自分自身です。
夫婦は同じものを食べて、同じところに暮らしているとだんだん似てくるとはいうものの、やっぱり他者であることには変わりありません。
でも、親子は半分だけ自分自身で、それだからこそ嫌な部分、似て欲しくない部分が重なって見えてしまいます。
血の繋がりが無い他者であれば、そんなものかと見過ごすようなことであっても、半分自分自身である親子の姿は、鏡を突きつけられているようで、なかなか受け入れらない。
人は誰かの子として生まれ、また自分で子を持って、やがて死んでいきます。
その時間は、振り返ってみればほんの一瞬ではないかと思います。
短い時間になにも傷付けあうことはないのにね。
そんな風に思いながらも、鏡のなかの半分の自分に傷つき、苦しむことが日々の人生なのかもしれません。