経営改革がこんなに上手くいくはずもない、と思いつつも。
本日のお題はこちら。
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/06/26
- メディア: 単行本
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本書は、架空の企業を舞台に、慢性的な赤字体質に陥っている事業をわずか3カ月ほどで改革のシナリオを作り、2年で黒字に転換させる・・という奮闘を描くストーリーです。*1
傍流だった子会社社長が呼び戻され、本社社長の全面的な信頼の下、コンサルタントの力も借りつつ、社内から改革を共にするにふさわしい少数の人物を抜擢して事に当たるが、そこには社内の様々な抵抗や困難があり・・というストーリーです。
本書中で、「不振企業の症状50」が示されますが、これが「あるある」過ぎて。
また、改革に入ってからは「改革を成功に導くための要諦50」が示されます。
読んで行くうちに、「いや、こんな上手くいくはずが」という思いが何度も頭をよぎりますが、最後は黒字転換までもっていきます。
実話を基にしたお話、ということで、実に興味深く。
この改革が成功したのは、子会社社長とコンサルタントの2人のモデルとなっている著者自身の能力と志が高く、本社社長がそれを信頼して任せてくれたこと、社内にも協力してくれる有能で志がある方々がいたからですね。
身の回りを振り返るに、最初の問題点の抽出の段階で挫折しそうですが。
かなり前からのベストセラーになっている本ですが、今回、初めて読む機会がありました。文庫化(kindle化)もされていますが、私が読んだのはモデルとなったコマツ経営陣との対談も含んだ2013年の増補版です。
組織にいる方なら、経営改革がこんなに上手くいくはずもない、と思いつつも。*2必ず、得るところがあるかと。
お勧めします。