不振企業の症例に思い当たり、自らを省みるお話。
本日のお題はこちら。
経営パワーの危機 会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/18
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
先日の「V字回復の経営」に続き、「経営パワーの危機」を読み追えました。
ベストセラー経営書であり、既に多くのレビューが書かれておりますので、ここでは私個人が感じたことを少々。
本書は優れた技術を持ちながら、経営の失敗により倒産寸前まで追い詰められてしまった企業の再建がテーマになっております。
免許制で、ガチガチの規制に縛られている業種に勤めている身としては、実感をもって本書の内容を受けとめることができたかは、わかりません。
それでも、本書に出てくる脚注の「不振企業の症例」には思い当たる点がいろいろと。
特に、不振企業によく見られる症例として、「噂による経営管理」というものはどこかで見た光景だな、と。
上司を飛び越したり、噂で組織を動かそうとする者が出てくるようになる・・噂による経営管理が横行し、会社は疑心暗鬼の伏魔殿となる
残念ながら、対顧客折衝や実務的な能力はさっぱりなのにもかかわらず、社内の人間関係に精通し噂話を意図的に流しては、社内政治にばかりいそしむという人物は、身近でもよく見てきました。
企業が人間の集まりであり、組織も経済合理性や論理だけでは動かない以上、やむを得ない部分はあるのでしょう。
また、本書冒頭にある通り、「会社の危機と社員の危機感は必ずしも相関しない」ということも。
自分自身、官僚機構の一部と化し、個々の機能だけには精通・熟達しているのはじゅうぶん、自覚しております。
このまま他者の選択に人生を任せてもいいのか。
そんな気にもなっております。