地方で、このまま茹でガエルになるか。
夏休み中にずいぶん本を読みましたので、少しづつ。
- 作者: 飯田泰之,木下斉,川崎一泰,入山章栄,林直樹,熊谷俊人
- 出版社/メーカー: 光文社
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私は地方都市住まいですが、「地方創生」という言葉には懐疑的な見方しかできません。
日本全体では人口が減少することは明らかなのに、自治体が出してくる計画は、我が町だけは人口が増加に転ずるような非現実的な前提を置くバラ色の絵図面。
一過性の集客だけはできるものの、費用対効果も測定されず、その後には何も続きそうもないB級グルメなどのイベント。
どこの街でも、似たような地方創生の計画・イベントばかりです。
なぜ、似たようなものばかりになるのかといえば、国の地方創生の掛け声に応じたい・・とういうものの、各地方自治体にはアイデアを練る能力がある人材もおらず、コンサルタントに大金を払って丸投げしてしまう。
そして、そのコンサルタントは「地方創生のきれいな絵図面」を出してくれるため。
地方にはお金も無いのですが、最大の問題は、「人がいない」ということに尽きるのは無いかと思います。
地方の高校を終えれば、優秀な方は東京などへ出て行ってしまいます。
一部は戻ってきますが、その優等生の就職先は、県庁、市役所、教員、地方銀行など、創造性にはほど遠い組織ばかり、というのが現実です。
こういう「勉強ができた人」、私もその一人ですが、発想が固いですし、既成概念を崩すこともできません。
むしろ、ずっと地元にいるような「ヤンキー」たちが、儲かりそうな商売を見つけてビジネスを広げ、雇用を増やして地域に貢献している・・という話も読みましたが。
- 作者: 藤野英人
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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一部ではこういう明るい話はありつつ、長期的・全般的にはこの「地域再生の失敗学」で述べられているように、どこの地域でも似たような失敗を繰り返しているのではないかと思われます。
私の住む街でも、通りに空き店舗・空き家がずいぶん目立つようになり、先送りして見て見ぬフリをしてきたまずい事象がいろいろ顕在化してきて、「これはいよいよヤバいな」とも。
さて、この街に住み続けて、茹でガエルになるか。
それとも・・