働くことと、人間の尊厳について。
企業組織内部においても、コンプライアンスが叫ばれる昨今です。
建て前としては、どの社員も、人として尊重され公平に扱われなければならない、とされています。
ただし、社員も皆、同質なわけでは無く、仕事を与えられても期限を守れない、成果物の品質が低いという人がおります。
仕事が「できない」社員というものが存在するわけです。
その人は次のような扱いを受けてしまいます。
上司からは叱責され、若手からは軽侮され、果ては補助的な仕事をしているパート職員にまで「できない人だよね」などとウワサを立てられてしまう。
公平処遇を建て前としつつも、人間の集まりである以上、その職場での価値が低いとされてしまえば、日常的に尊厳を傷付けられてしまうようなことがおきる。
日常的にバカにされていて、ニコニコしていられるのは稀でして、そんな人はいつも不満顔でいたり、なにかオドオドしていたりも。
そうなると、ますます嫌われて孤立したり。
仕事ができないというのは、その職場内だけでして、部署が変われば別な能力を発揮したりする方もおりますが。
問題は、どこに行っても仕事ができないままで、どこでも持て余され、あちこちの部署を転々と異動させられるような方も。
働くことは、人生の多くの時間を占めているわけで、尊厳を傷付けられながら毎日を過ごすのは、あまりに不幸ではないかと。
周りの人間にそういう扱いは止めろといって、実際に守られるとはとうてい思えません。
ならば、不満顔を抱えて働き続けるよりも、また違う組織、違う仕事があるのではないか。
社内のあちこちで我慢を抱えている人を見るに、働くことと、人間の尊厳について、考えています。