糾弾されているのは、自分ではありません。
毎日、心がザワザワするようなニュースが流れています。
私とて人並みの正義感はあるつもりですので、望ましくない行動をした人物や組織には「いかんなあ」ぐらいの感想は抱くわけです。
問題は、その次です。
報道を聞いて怒りを募らせた人々が、その「アレな行動」をやらかした当事者だけではなく、その当事者が帰属している集団、業界、世代、民族、国などの「大きなもの」がそれと同一の「悪」であり、同じく糾弾されなければならない、と。
対象が大きくなれば、帰属している個人はどんどん増えていきます。
バブル世代が無能だからだ。
銀行員は全員、陰湿な連中ばかりだ。
男だから、甘やかされているんだ。
日本は地獄のような国で、黙って耐えている日本人は奴隷だ。
私が帰属している属性も、よくこうやって糾弾されています。
以前は、そういう一般化された言説に感情的な反発をして、言い返してしまったこともあったように思います。
でも、ザワザワするニュースが流れる度に同じパターンでの糾弾が繰り返されることに気づいていから、反応してはいけないな、と思い直しました。
叩きのめされてる存在は、怒っている人の目の前には実在しているかもしれません。
あるいは、その正義の人の心の中に作り出された虚像なのかも。
いずれにせよ、それは私ではありません。
怒りに怒りで返せば、同じ場所で回転しているだけです。
私は、私にできることをしようと思います。