(速報版)スルガ銀行2019年6月期決算を読む。
スルガ銀行の2019年6月期(4月〜6月、3ヶ月間)の決算が公表されました。
本日8月14日は、法定期限である決算日から45日目ですのでギリギリまで公表を引き延ばしていたことになります。
通常であれば、東証に速報版である短信を開示しそのあと1週間〜10日後に金商法の法定開示書類である四半期報告書を提出するというスケジュールになりますが、スルガ銀行は本日、短信と四半期報告書を同日に提出したことになります。
さて、損益状況からです。
単体で34億円の最終利益を確保しております。
与信費用も大きくは増加しておらず不良債権処理は峠を越えたようにも見えます。
銀行の本業の収益を示すコア業務純益は約100億円で前年同期比42億円の減少。
これのいちばん大きな原因は貸出金利息が約50億円減少したことによるものです。
またコア業務純益のなかには後述するワンルームマンションの証券化による売却益が約20億円含まれております。
これは1回限りの収益なので、これを除くコア業務純益は約80億なので、スルガ銀行の本業の収益力は昨年より約半分〜6割程度まで低下していることが読み取れます。
他に目立つのが株式等売却益が約18億計上されていて、証券化と合わせると38億の一過性の収益を計上しており、期間損益(黒字)確保はギリギリだとも言えことになるでしょう。
次にシェアハウス向けなど不良債権処理の状況です。
不良債権残高は3月期からほぼ横ばいで推移しており、最終処分はまったく進んでいないということが読み取れました。
これは不良債権を切り離ししたのではなく、正常先〜要注意先のローンを証券化し第三者の機関投資家へ売却したものです。
この取引で含み益を実現できますが、将来の利息収入を先食いしたもので売却後には利息が得られなくなってしまいます。
以上、簡単ですが速報版としてお届けします。
利回りの算出や証券化の詳細、役務利益の減少や預金動向などは後ほど詳細版として別稿にてお話しいたします。