「財務会計講義」で挫折しちゃった方でも読めそうな会計入門。
財務会計を学習するための定番の基本書として「財務会計講義」があります。
確かに良いテキストなのですが、約500ページとかなりのボリュームがあります。
内容的にも、上場企業等が適用する会計基準がその仕訳例も入れて解説されていますので、初学者が読みとおすにはなかなかハードルが高いです。
同じ桜井久勝先生の入門書として、こちらを紹介したします。
財務会計・入門 第11版 -- 企業活動を描き出す会計情報とその活用法 (有斐閣アルマ)
- 作者: 桜井久勝,須田一幸
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2017/03/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こちらは、300頁弱で財務会計の全体をカバーしていますが、財務会計講義の要約版ではありません。
冒頭のところに複式簿記の構造が5ページほど使って説明されいますが、本論部分では仕訳を使わずに図式で貸借対照表と損益計算書等の構造が説明されており、仕訳が出てくると拒否反応を起こしてしまう会計初学者でも読めるのではないかと。
さらに、最近の企業活動の国際化、グループ経営化に対応して、一般的な会計入門テキストでは省かれていることも多い外貨換算会計、連結会計、企業結合についても説明がなされております。
また、IFRS(国際財務報告基準)の動向や、会社法による剰余金の配当の計算など制度的な話も。
最後の章では、20ページほどですが、ROA、ROEの意味や計算方法をはじめ、初歩的な財務諸表分析の知識も解説されておりますので、経理部門以外の方で会計の知識が必要な方にも役立つかと思います。
もちろん、入門書ですのでこれ1冊だけでは会計の知識を全部習得できるというものでありませんが、このテキストが理解できたら、それぞれの学習の関心や仕事での必要性に応じて中級~上級のテキストへ進むことができると思います。
「財務会計講義」を買ってはみたが、読みこなせなかった・・という方はまずはこちらから読んでみてはいかがでしょうか。