すらすら日記。

すらすら☆

社会を支える人々に対する、一部の起業家の万能感のようなものについて。

テクノロジーの進歩による万能感にとらわれているのでしょうか。

起業家やインフルエンサーと呼ばれる人たちは、得てして既存の社会の仕組みを「無駄だ」「非効率だ」と侮蔑したり、そこに「しがみついている」人々の振る舞いを嘲笑したりします。

既存企業に勤めている人々に対して、まとめて「社畜」というわかりやすい軽蔑の記号を貼り付けて呼ぶことも。

彼らは「自由に生きろ」とよく言います。

その自由が成立した後の世界では、相変わらず電車は時間通りに動き、電気は切れ目なく供給され、蛇口をひねれば水が出てきて、スマホの電波はバッチリ。
金融インフラもそのままで、資金決済はきちんと振替処理され、株式市場では資金調達も容易。

自分たちだけは自由になって、交通・電気・水道・通信、金融決済や金融市場などの社会の基礎インフラは「静止」「現状維持」したまま彼ら起業家に奉仕している。

さて、社会インフラは無人自動機動ではありません。

こういう事象に対し、言葉にできない違和感を抱いておりましたが、こちらの一節に行き当たりました。

彼らが軽蔑して社畜だとさげすむ、真面目に働いている人々が毎日繰り返しメンテナンスして初めて維持されているのです。

note.mu

しょぼい起業で生きていく

しょぼい起業で生きていく

地道に働くひとを馬鹿にして、自由になりたい人から集金するのが新しい思想だとは私は思えません。

遺憾ながら、一部のインフルエンサーといわれる人々がやっていることは、先行き不安な時代ゆえ「何か動かなければならない」という強迫に駆られている人々を煽り、情報に疎いその人々からお金を巻き上げているという行為にしかみえません。

社会が発展してきたのは、起業家精神に富んだ人々が、硬直してしまった社会制度を破壊するようなイノベーションを起こしてきたからだ、というのは理解しております。

もちろん、私には彼ら2.0な界隈がそういう時代の先駆者なのかどうか、判別することはできません。

ただ、地道に働くひとをバカにして、それでいて社会インフラだけは利用させてもらっている。

その一部の行為に対しては違和感と異議を表明しておきたいと思います。


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