すらすら日記。

すらすら☆

銀行の審査基準は固定されているわけではないというお話。

危機が到来するとワクワクしてしまうタイプです。

さて、市場急落ののなか、「銀行の貸し渋り貸し剥がしが始まるぞ!」という呟きをお見かけしました。

銀行側としては「審査基準があって、それに合わない貸出先を弾いているだけだ」として、それは不本意な言われ方だ!と反発するのでは互いに断絶してしまうだけです。

借り手側には借り手の言い分があるわけでして、なぜ「貸し渋り貸し剥がし」だと感じられてしまうのかということについて少々。

借り手という自然人や法人は景況の上下に関わらず、蝶や両生類のように変態するわけではありません。

法人であれ、事業をやっている代表者自身は生身の人間で、「俺は何も変わっていないのに、どうして期日が来たローンを折り返し融資してくれないんだ!」という憤りはもっともです。これは、借り手の立場からすると、「貸し渋り」でしょう。

また、いつも反復していた融資枠を更新してくれず、一括返済を求められてしまったら。これは、「貸し剥がし」ですね。

決算が赤字になったわけでもない、事業は(不安もありつつも)順調なのに。


この思いは、審査基準が急に変更されてしまったことに対する正当な抗議であると思われますが・・



ここで、貸し手の銀行の立場になりますと、借り手が何も変化していなくても、その属する業種自体の先行きが危ぶまれるというだけで、先の「審査基準の厳格化」が発動してしまうことも。
特にターゲットになりやすいのは、景気敏感業種である不動産業などが代表でしょうか。

さらに、金融庁や日銀などの金融監督・モニタリング当局は暗に「不動産業に注意しろよ」という指導を行ってきたりします。
大蔵省の昔とは異なり、あからさまな狙い撃ちの行政指導や窓口指導はありません。
でも、監督当局がある業種に対する融資状況をヒアリングしてきたというだけで、これはお上は融資を押さえろということなんだな、と敏感に融資態度が変わってしまいます。

また、当局の暗黙の行政指導がなくとも、銀行自身が先行きの景況を判断して、融資基準を厳しくしてしまうことも。
今は、当局の指導よりもこちらの方が多いでしょう。

審査基準は固定されているわけではないのです。

借り手自身が変化していなくても、業界全体の景況判断やその銀行自体の貸出ポートフォリオのリスク量が限度だとなれば、融資は絞られてしまいます。

借り手側にはコントロールできるものではありません。
理不尽に感じられることかと思いますが、生き延びるためには、これに対応していくしかないのです。

逆に、景況の急激な悪化を避けるために融資基準を緩和してくれるという報道もなされています。

絞られるか、緩和されるのか。

もう一度。銀行の審査基準はロックされていません。

あなたが生き延びるために、ぜひ、窓口の融資担当者の顔色を見に行ってくださいますよう。



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