金融といっても幅が広い。
本日は書評を少々。
- 作者: 山下章太
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
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ファイナンスの教科書といいますと、難解な数式を連ねて読者を煙に巻き「企業評価もできずリスクを取れない銀行はオワコン。それに比べてなんちゃらモデルを駆使するクリエイティブな俺は・・」と邦銀をdisって自画自賛する本が多いと聞きます。
・・はい、偏見です。どうして人間は自分とちょっとでも違う分野の方を受け入れられないのでしょうかw
この「実践ファイナンス講座」は珍しく?貸出金によるファイナンス方法から始まって、エクイティファイナンス、デリバティブに至るまで易しく解説しており、金融業界にこれから入ろうとする方、また、金融界でも間接または直接金融しか経験が無い方が反対側を知るのにちょうどいいテキストかと思います。
なお、貸倒の税務や銀行の自己査定の仕組もさらっと触れられておりますが、税務に関しては明らかに説明不足ですし(貸倒だけで個別評価引当金についてまったく触れていない)、自己査定についても中の人からみますとちょっとずれがあります。
まあ、紙幅の関係でこれ以上は書けないでしょうし、本書の価値を損ねるものではないかと。
「実践」とありますが入門書としてお勧めできる一冊です。
金融のことを知りたい方はぜひご一読ください。