すらすら日記。

すらすら☆

2018-01-01から1年間の記事一覧

「しょぼい起業」がぜんぜんしょぼくない件について。

本日のお題はこちら。しょぼい起業で生きていく作者: えらいてんちょう出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2018/12/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る「しょぼい」とありますので、昨今流行りの「テクノロジーを駆使した…

メルカリが納付する法人税に関するお話。

メルカリは企業会計上、赤字ですが、企業所得に課される法人税等を約24億円納付しています。これは、会計上は費用・損失として処理されたものが、税法上は損金として認められないために「ズレ」が生じていることを示しております。これはなぜだろう・・とち…

社会を支える人々に対する、一部の起業家の万能感のようなものについて。

テクノロジーの進歩による万能感にとらわれているのでしょうか。起業家やインフルエンサーと呼ばれる人たちは、得てして既存の社会の仕組みを「無駄だ」「非効率だ」と侮蔑したり、そこに「しがみついている」人々の振る舞いを嘲笑したりします。既存企業に…

こちらが今週の「悪い奴」です。というループについて。

毎週、どこかで誰かが「悪いこと」をしています。そのなかでも、飲酒ひき逃げとか、覚せい剤使用とか。弁解の余地のない「悪事を為した人」を拾ってきて・・マスコミが大々的に取り上げてしつこく繰り返し報道します。こいつは極悪人です! 思う存分、非難し…

RIZAPの事業の成長は何によってもたらされるのか?

RIZAPの第1四半期決算(2018年6月期)が32億円あまりの赤字ということで話題になっておりました。 そこで、経営状況はどんなものだろう・・とIRページにいって、昨年度からの有価証券報告書や短信などを読み込んできました。www.rizapgroup.comまず、昨年度…

なぜ金持ちはより多くの税金を払わなければならなかったのか?

本日のお題はこちら。金持ち課税――税の公正をめぐる経済史作者: ケネス・シーヴ,デイヴィッド・スタサヴェージ出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/06/15メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る税金というものは古代より存在しますが、所得税は1…

どこかで聞いたような「思想」の呪縛について。

本日のお題はこちら。10年後の仕事図鑑作者: 堀江貴文,落合陽一出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2018/04/05メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る話題のお二人の対談本ということで、ちょっと読んでみました。 対談をライターが書き起こし…

経済合理的に動く麻薬カルテルと対決するためには・・

本日のお題はこちら。ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学作者: トム・ウェインライト出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/02/05メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る失敗には死で報いる残忍なボスが君臨する麻薬カルテル。 映画などで流布…

周囲とはちょっと違う自分を確認するために。

本日のお題はこちら。憎しみに抗って――不純なものへの賛歌作者: カロリン・エムケ,浅井晶子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/03/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る「自分とは違う存在」を作り出して攻撃するという風潮がみられる…

糾弾されているのは、自分ではありません。

毎日、心がザワザワするようなニュースが流れています。私とて人並みの正義感はあるつもりですので、望ましくない行動をした人物や組織には「いかんなあ」ぐらいの感想は抱くわけです。問題は、その次です。報道を聞いて怒りを募らせた人々が、その「アレな…

言葉の正確な用法と、専門外の人々への態度について。

厳密な定義がある専門用語が存在する会計や税務の仕事に長いこと就いておりますので、間違った言葉の使い方をされるととても気になります。制度会計では、不特定多数の投資家に対して財務報告の開示を行いますので、投資家が誤解や誤誘導をしないように厳格…

「12歳でも財務諸表が読めるようになる」会計入門書のご紹介。

本日のお題はこちら。経理の知識ゼロでも決算書が読めるようになる本 Forest2545新書作者: 岩谷誠治出版社/メーカー: フォレスト出版発売日: 2018/01/09メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る会計の知識が欲しい、財務諸表を読めるようになりたい、…

メルカリのポイント、消費税処理のちょっと難しいお話。

新規上場で話題のメルカリの消費税処理について、こんな報道が出ていました。 www.sankei.com国税当局との見解の相違が起きたのは、メルカリが利用者に向けて発行するポイントに関する消費税の処理方法についてです。 よく期間限定で500ポイントプレゼント!…

すらすらわかる朝日新聞の決算と今後のゆくえ。(速報版)

朝日新聞の2018年3月期決算短信が公表されました。朝日新聞は上場企業ではありませんから、関連会社である上場企業、テレビ朝日HDが「親会社等の決算に関するお知らせ」という形での開示となります。http://www.tv-asahihd.co.jp/contents/press/2018/asahi…

会計の数字から何がわかるか?をやさしく解説してくれるお話。

本日のお題はこちら。やっぱり会計士は見た! 本当に優良な会社を見抜く方法 (文春e-book)作者: 前川修満出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/02/13メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「会計士は見た!」に続きまして、一般には馴染みがない財…

「教科書が読めない人々」の運命について。

本日のお題はこちら。AI vs. 教科書が読めない子どもたち作者: 新井紀子出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2018/02/02メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る「ロボットは東大に入れるか」と名づけた人工知能プロジェクトを主催している…

「マンガでわかる統計学入門」のおすすめ。

マンガでわかる統計学入門作者: 滝川好夫出版社/メーカー: 新星出版社発売日: 2016/07/15メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る統計のスキルを身につけたいというニーズは多くの人に共有されていると思いますが。統計学入門というテキストを買っては…

金融に対する「常識」という無理解について。

先日発売された落合陽一氏の新著「日本再興戦略」のこの一節が引用され、金融界隈の間で話題になっておりました。日本再興戦略 (NewsPicks Book)作者: 落合陽一出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/01/30メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見…

「やらかした」人の処遇が形成する空気について。

営業現場で顧客とトラブルを起こしたり、案件をぜんぜん捌ききれなくて業務が滞ってしまったり。あるいは、上司や同僚と感情的な軋轢を起こしてしまったり。若くして、「やらかしてしまう」人はどこの職場にもいるのでしょう。自ら辞職しない限り、その程度…

数式なしでファイナンスを理解!という罠の次へ。

本日のお題はこちら。ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質作者: 田渕直也出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2017/12/15メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る面白そうだけど難しい、仕事で必要があるけどいきなり難しい教科書は無理…

京都銀行の政策投資株式の凄まじさについて。

地方銀行は、地元の企業の株式を長期的な取引関係を維持構築するために保有しています。 いわゆる、政策投資株式というものですね。 京都には、任天堂、日本電産、京セラ、村田製作所、オムロンなど京都発の世界的優良上場企業が多数あり、京都銀行はその株…

会ったこともない他者への憎しみについて。

世間のある部分から嫌われる業種に勤めています。金融です。また、今日もSNSで銀行に対する呪詛の言葉を目にしました。金融業へのいつもどおりのテンプレートでしたので、事実誤認や知識不足に対する指摘などせず、スルーしておきましたが。ときに、その人は…

メタップス 四半期レビュー報告書を読む。

提出期限を1か月延長していたメタップスの四半期報告書、2月14日にEDINETで公開されました。EDINET メタップス 四半期報告書四半期報告書は、東京証券取引所で開示される決算短信とは異なり、金融商品取引法による法定開示書類であり、会計監査(レビュー)…

掲げる理想と足元の現実の狭間で。

組織の上に立つ人は、「こうありたい」「こうあるべきだ」という高い理想を掲げて組織を動かそうとします。それに対し、現場で実務をやっているスタッフを預かる中間管理職は、そんなあるべき論と手持ちの戦力でできそうなことのギャップを比べてため息をつ…

得意なことが「何もない」人の生きる方法について。

テクノロジーの発達によって、世界はすっかり変わりつつあるようです。従来の概念でとらえられている「働くこと」では生活の糧を得られなかった人にも平等に機会が広がっている。事実、そういう方法で立ち上がる人々もそれなりの数で目に付くようになりまし…

無料で学べる証券投資理論の講義ノート。

社会人が、独学で新しい分野を学んでいくのはなかなかつらいものです。教科書を読みすすめていても、当然の前提知識などは説明が省かれていることもあり、周りに質問できる人がいないと詰まってしまうことも。こんなとき、指導してくれる教員がいればなあ・…

「誤解を招く表現でした」という謝罪作法について。

「これでいいのか。」投稿を読んだとき、ぎょっとしました。政治的意見は自由であり、何を主張しようともそれはかまいません。 しかし、自分の政治的意見=イデオロギーに沿わない事象に関連したことであれば、直接的には関係のない受験生にまで非難しようと…

善意による包摂よりも、お金で割り切れる関係を。

本日のお題はこちら。人を大切にする経営学講義作者: 坂本光司出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2017/12/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「世界でいちばん大切にしたい会社」シリーズで著名な坂本光司教授による「人を大切にする」経営学…

企業金融の仕組みをやさしく学べるテキスト。

本日のお題はこちら。入門 企業金融論―基礎から学ぶ資金調達の仕組み作者: 中島真志出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2015/02/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る企業金融に関するテキストはいろいろなものが出ております。一般に、コー…

すらすらわかるヤマダ電機の追徴課税のお話。

こんな報道を見かけると、私はいそいそと有価証券報告書などの開示書類を見に行って「どうしてやらかしてしまったか」をあれこれ推測してみるのを趣味にしております。 www.sankei.com報道によりますと、ヤマダ電機の税務申告の誤りの内容は次のようなもので…

すらすら日記。は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。