すらすら日記。

すらすら☆

2017-01-01から1年間の記事一覧

通貨発行の簿記会計的なお話。

皆さんが持っている1万円札。製造原価はおよそ20円です。なので、日本銀行は1万円札を刷るたびに、1万円と20円の差額、9980円を「通貨発行益」として得られる・・というお話を聞いたことがあるのではないかと思います。仕訳を考えてみました。日本銀行の1万…

コーポレートファイナンスのおすすめ入門書について。

ファイナンスの本というと何の説明もなしに見慣れない記号を使った数式がドーンと出てきて、理屈もわからず覚えさせられるか、そもそも数式が解けなくて挫折・・ということが多いのではないかと思います。あるいは、数式は読めたものの、現実離れした仮定が…

租税法研究「はじめの一歩」に読むべきテキストについて。

お題箱経由で質問がきましたので、お答えします。 大学で租税法のゼミに入りたいと考えています。租税法を学ぶ上でまずこれは読んでおくべきというものがありましたら教えていただけると嬉しいです。学部3年生でこれから租税法ゼミということであれば・・ま…

巨大企業崩壊の悲劇は、一直線には進まないはず・・

本日のお題はこちら。 [asin:B075F72477:detail]東芝については、「不適切会計」という奇妙な言葉から始まった不正会計に端を発し、原子力事業失敗に関連する巨額損失や経営迷走について、多くの本や記事が書かれてきました。私もぜんぶではないにせよ、かな…

世界はより不平等になっている?

本日のお題はこちら。大不平等――エレファントカーブが予測する未来作者: ブランコ・ミラノヴィッチ出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/07/28メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る本の表紙をご覧ください。象が長い鼻を伸ばして持ちあげている…

怒りの感情はどこへいくのかという疑問について。

おとぎ話の中の聖者様ではない、生身の人間は、誰しも何らかの怒りを抱くことがあること思います。でも、その怒りをまったく抑えずに感じたままに言葉に出したり、文章に書きだしたりすると、「あっ、自分はこういう怒りを覚えているのだ」という再確認が起…

「財務会計講義」で挫折しちゃった方でも読めそうな会計入門。

財務会計を学習するための定番の基本書として「財務会計講義」があります。確かに良いテキストなのですが、約500ページとかなりのボリュームがあります。 内容的にも、上場企業等が適用する会計基準がその仕訳例も入れて解説されていますので、初学者が読み…

「経済全般の事を理解する」ための3つの大切なことについて。

「お題箱」経由でご質問が来ましたので、こちらでお答えしてみます。お題 こんばんは。経済全般の事を理解する...経済の事を理解したいと思って、何か本を読んでみようとアマゾンを検索してみます。 そうすると、世界経済全般を読み解くと称する、立派な髭を…

独立起業しつつあるという「幸福な状態」について。

世の中には、会社組織に属している方々に対し、現状に対する不満や、将来に対する漠然とした不安につけ込んで、会社を辞めて独立起業しろと煽ることを職業にしている人物が複数、存在します。煽りに乗って、なんの準備もなく、甘い見通しで独立起業したもの…

犯罪被害者の実名報道の是非について。

本日のお題はこちら。妄信 相模原障害者殺傷事件作者: 朝日新聞取材班出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2017/06/20メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る事件そのものについて語るのは、私の手に余りますので、ここでは、事件に対するマスコミ…

「味方の選び方」にかかる最後の一線を守ることについて。

世の中には、経済政策のあり方、エネルギー政策、男女の平等、教育への公費投入の程度、移民の是非など、意見が対立する様々な問題があります。昔はマスコミや学識経験者だけがその問題点に関する議論に参加できました。 でも、昨今は市井の人々もSNSやブロ…

合理的に正しい選択をして理想の金融業へ変化できる?

本日のお題はこちら。銀行員大失業時代(小学館新書)作者: 森本紀行出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/08/08メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るフィンテックの進展で、既存の銀行業務はどんどん自動化・システム化され、多くの銀行員の仕事が…

事実を観察して意見を変えられない人々について。

毎日、社会では多くの出来事がおき、報道機関によって取材されてニュースとなり、人々に伝えられます。報道機関によって論調は異なりますが、同じ新聞社の配信した同じ記事をみても、それを見た人によって漏らす感想は驚くほど異なります。特に、価値観が鋭…

お金を木の葉からじゃなくて「信用」から創り出すお話。

狸が木の葉をお金に変えてしまう昔話を聞かされて、「道端に落ちている木の葉をお金に変えられたらなあ」と空想したことがあるのではないでしょうか。もちろん、これはお伽噺でして、狸ならぬ人の身では木の葉からお金を創り出すことはできません。今日、流…

「やっぱり嫌い」という確認と共有について。

蛇や昆虫など、生理的に嫌いな生き物をわざわざ見に行って「やっぱり嫌い!」ということをする人間はあまりいないのではないかと思います。ところが、嫌いな相手が同じ人間の個人であったり、あるいは人間の集まりである企業組織や政党、大きくは国家だった…

異界に転生して世界とか救っちゃうお話・・ではないけど。

本日のお題はこちら。バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)作者: 前野ウルド浩太郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/05/26メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る※内容についてのネタばれを含みます。未読の方はご承知のうえ以下をお読…

匿名の金融資産としての現金は廃止できるのか?

本日のお題はこちら。現金の呪い――紙幣をいつ廃止するか?作者: ケネス・S・ロゴフ出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2017/05/23メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る捜査機関や税務当局は、「お金の流れ」に対して目を光らせております。今…

youtube無料動画で鮮やかな会計理論ROE講義を聴こう!

youtubeで無料で学べる会計理論の講義をご紹介いたします。大阪大学大学院准教授、村宮克彦先生による「理論解説 会計の概要とROE」です。「理論解説」会計の概要とROE(1/2) 「理論解説」会計の概要とROE(2/2) 昨今、大学・研究機関などが配信する無料動…

働くことと、人間の尊厳について。

企業組織内部においても、コンプライアンスが叫ばれる昨今です。建て前としては、どの社員も、人として尊重され公平に扱われなければならない、とされています。ただし、社員も皆、同質なわけでは無く、仕事を与えられても期限を守れない、成果物の品質が低…

「公正な社会」はとても残酷だというお話。

本日のお題はこちら。人生の勝算 (NewsPicks Book)作者: 前田裕二出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/06/29メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「誰でもすぐに生配信が可能な、双方向コミュニケーションの仮想ライブ空間」SHOWROOMの創業者、前…

単純化された嘘と複雑な現実について。

また、消費税の輸出免税の仕組みから発生する還付金について、これを「輸出戻し税」という名称で呼び、トヨタなど輸出大企業が不当に利益を得ているかのようなweb記事タイトルを見かけました。「輸出戻し税」というデマは定期的に出てくるけど消費税の仕入税…

現実的なキャリアの選択肢の選び方について。

本日のお題はこちら。働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書作者: 木村 勝出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2017/05/08メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る キャリアを考える本やweb・雑誌記事といいますと「海外の大学院へ進んでM…

自己の選択肢の正しさの確認の方法と程度について。

進学、就職、結婚、転職、独立して自営業になる、離婚する、日本を離れて外国で暮らす。人生には、いろいろな選択の連続であり、岐路においてどちらかを選ぶことを迫られます。後から振り返って、自分の選択肢は正しかったのだろうか、と思うこともあるでし…

正義感が、憎悪と怒りに転換してしまっている人々について。

SNSを眺めていますと、「世界が自分の理想としている姿と異なる」と毎日毎晩、怒っている人々が目に付きます。その人々から見ると、世の中は不正と理不尽に満ちており、為政者は民衆を窮乏に陥らせるために陰謀をめぐらしている、ということになっているよう…

「正しいこと」が伝わらないもどかしい人生について。

本日のお題はこちら。生涯投資家 (文春e-book)作者: 村上世彰出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/06/21メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る数々の上場企業の株式を取得して、投資家として経営者へ向けて経営改革を迫った村上ファンド代表、村…

個人的な好悪を社会全体に仮託して自由を圧殺しようとする人々について。

人間は群れて暮らしていますが、お互いに他者に踏み込んでこなければ、何をしても自由であるべきではないかと思っております。ただ、それは他者や社会に完全に無関心だ、ということを意味しているわけではありません。直接、私自身に関係がない他者の振る舞…

「正しいこと」の正体について。

会社組織のなかで、自分では「正しいこと」を主張しているつもりなのに、明確な理由もなくその意見を否定され、悔しい思いをしたことがある方は多いのではないかと思います。その「正しいこと」はいわゆる独自の見解ではなく、法令や制度で求められているこ…

「努力はしないけど、バカにされたくない」という人々の問題は解決できるか?

本日のお題はこちら。ヒルビリー・エレジー?アメリカの繁栄から取り残された白人たち?作者: J・D・ヴァンス出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/03/24メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るそこで支持を得たことがトランプ大統領誕生の原因となっ…

定量分析に基づく地域金融機関の将来について。

本日のお題はこちら。地域金融のあしたの探り方―人口減少下での地方創生と地域金融システムのリ・デザインに向けて作者: 大庫直樹出版社/メーカー: 金融財政事情研究会発売日: 2016/03/07メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る銀行業界は、法令にも…

地銀も前向きな姿勢だけでは食っていけない、というお話。

本日のお題はこちら。ドキュメント 金融庁vs.地銀?生き残る銀行はどこか? (光文社新書)作者: 読売新聞東京本社経済部出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/05/26メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る金融、それも銀行業界は産業の脇役であるはずな…

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