会ったこともない他者への憎しみについて。
世間のある部分から嫌われる業種に勤めています。
金融です。
また、今日もSNSで銀行に対する呪詛の言葉を目にしました。
金融業へのいつもどおりのテンプレートでしたので、事実誤認や知識不足に対する指摘などせず、スルーしておきましたが。
ときに、その人は会ったこともない他者に対して、個別にみることもせず、全体として悪と決めつけ、そんな強い言葉で憎しみをあらわにできるのか。
テンプレートの悪口の内容よりも、その心の動きに興味を引かれました。
ごく少数の例外はともかく、一人ひとりの人間は完全なる悪でも善でもなく、善悪が入り混じった矛盾した存在のはずなのに。
他者に対して、存在を全否定するような呪いの言葉を吐ける。
その「悪」は、憎悪の渦巻くその人の心が独自に作り上げたものなのかもしれません。
実在の人間とは無関係に、断片的な観察や伝聞、ちょっとした嫌な思いもした体験から形作った虚像かもしれないのに。
他者をどう評価しようとも、彼には「世界」がそんなふうにみえていて、その憎しみが表出してwebに書き込んでしまった。
内心の自由は、どんなものでも尊重いたします。
それが、その人の心なのですから。他者がとやかく言うことではありません。
ただ、そんな会ったこともない他者に憎しみの言葉をぶつける人生、幸せでしょうか。
私は、その人に自分の職業を伏せて、会ってみたくなりました。
あなたの心は、どうしてそんなふうに動くのですか。
問うてみたいです。