真実は真ん中辺りに?
昨今、いわゆる極論をぶちかます方が目に付きます。
曰く、日銀法を改正して金融政策を変えれば(ry
とは言うものの、現実の社会は複雑怪奇でして、
問題を解決する魔法の杖は存在しない・・というのが
どうやら本当のようです。
- 作者: アビジット・V・バナジー,エスター・デュフロ,山形浩生
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: 単行本
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貧困問題についても、いろいろな極論・神話があります。
1日1ドル〜2ドル以下で暮らすような貧困は
許容できない問題であり、これを解決したいというのは
人類共通の課題であることは皆、同意しているかと思います。
しかし、貧困問題を解決困難にしているものとして
3つの「I」、イデオロギーideology 無知ignorance 惰性inertiaが
挙げられております。
イデオロギー。
マイクロファイナンスは貸倒が少なければならないという
イデオロギーに捉われております。
無知。
貧乏人は極端にきめつけられているようには、
愚かでもありませんが、
聖者でもありません。
惰性。
そしてこれらのことが援助機関や現地政府に知られた後も
惰性で同じ方法が続けられてしまっています。
この本では、貧乏人の多様な行動と考え方を
実証的にあつめ、分析しております。
問題一挙解決の魔法の杖は無い。
現場を深く知った上で、一歩一歩問題解決に
向けて行動して行く。
貧困問題に限らず、
世界はそんなふうにして「進歩」してきたはずです。
極論や神話に惑わされる前に、
事実を知るために一読をお勧めします。