「敵」を作っても、解決にはなりません。
本日のお題はこちら。
- 作者: 今野晴貴
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 新書
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私自身は、貧困・格差の問題には昔から関心を持っていろいろ読んできました。
著者は「ブラック企業」で有名になりましたNP0法人の方ですが、本の中で○○市(本文中では実名)の窓口の対応を(かなり一方的に)非難したり、ケースワーカーの「酷い実例」をこれでもか、と挙げております。
残念ながら、自分たちNPO法人の活動に携わる方以外の福祉行政に関わる方々を「敵視」しているようです。
ブラック企業に辛くとも留まっている若者がなぜ生活保護をバッシングするのか、その心理を突いた指摘にはところどころ興味深く読ませる点もありましたが、全般に感情的・独善的になっているように感じられます。
福祉行政の現場で地道に努力されている公務員の方は、この本を好意的には読めないのではないでしょうか。(良心的な公務員はまったく登場しません)
「敵」(ここでは既存の福祉行政)をバッシングしても問題解決にはつながりません。
生活保護バッシングを憂いつつ、著者自らも「一方的な正義」の罠に落ち込んではいないでしょうか。