永遠の命「火の鳥」が人間の営みを見つめている。というお話。
追記(11月4日18:00) 50%OFFセールは終了したようです。ご注意ください。
手塚治虫の漫画「火の鳥」がkindle化され、半額セール(全16巻で約2,300円)となっておりました。*1
あまりに懐かしくご紹介を。
- 作者: 手塚治虫
- メディア: Kindle版
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その生き血を飲めば永遠の命を得られるという「火の鳥」。
ストーリーは、人間が、火を手に入れて文明を築く前の時代から、女王卑弥呼の時代を経て、仏教が伝来し文化が花開く時代。
ある時代では、古代の霊的な世界に対する侵略者であった仏の教えが、次の世界では人々を救う思想となるものの、次には権力と結びついて人々を苦しめる。
やがて、宇宙に進出して星間飛行をできるようになる頃まで。
あるいは、文明が衰亡してやがて核戦争が起こり、人類は跡形もなく消え去ってしまった世界まで。
人間は火の鳥の生き血を手に入れようとして醜く争ったり、
あるいは永遠の命を手に入れたものの、死ねなくなることに苦しんだり。
火の鳥は、そんな人間の営みに介入したり助けたりはせず、ずっと見守っています。
印象的な場面はいまでもセリフまで覚えています。
ある場面では、主人公が名誉欲に取りつかれて焼け死に、気づいたらミジンコに輪廻転生してお魚に食べられてしまいます。
その次の場面では、池の亀に生まれ変わります。
火の鳥に呼びかけられて応えます。
「ニンゲン・・さあ、わかりません」
文明が衰亡した未来では、希望を失った人類を嘆くこんな場面も。
「人々は、やたら昔を懐かしがっています。」
・・現代の日本を描いているようです。
中高生のころから何度も読み返して、どれほどの影響を受けたかわからない作品です。
年齢を経て読み返すと、また違うことを感じるかもしれません。
あらゆる世代の皆さまに、ぜひ。