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銀行の財務報告を読む。(その6)

大王製紙の偉い人が特別背任で逮捕されましたね。
これは関連会社から私的な使途で巨額の資金を借り入れて損害を与えた・・という容疑のようです。この問題に関しましては、日々詳しく報道されておりますし、私がこれ以上付け加えるべき点はあまりないのですが、一つだけ。

会社の偉い人()や、その偉い人が支配する会社が、報告会社(有価証券報告書を提出する会社)と取引した場合、その内容を有価証券報告書の「関連当事者関係」で開示しなければなりません。
本稿は、「銀行の財務報告を読む。」ですので、D社ではなく、サンプルである滋賀銀行を取り上げて解説いたします。

113頁をご覧ください。

滋賀銀行は、藤田氏という個人と、西川産業株式会社という法人と関連当事者取引の開示を行っております。

藤田氏という方は、取締役監査役の中には見当たりません。近親者でしょうか。貸出金の取引はわずか28百万円で、不動産担保を取っているという取引で年間の取引高は△0百万円とありますので、不動産担保の当座貸越か何かでしょうか(推測です。賃貸用不動産の取得資金かもしれませんが、それにしては年間返済額が少ない)。

西川産業と言うのは有名なお布団屋さんですね。代表者の方が銀行の監査役になっているため、開示対象となっています。
取引高はリース子会社との取引も合わせ、27億円程度。
西川産業は非上場企業ですので、財務内容は不明ですが、HPを見ましたら年商400億円弱との紹介がありました。
年商規模からだけでは断定できませんが、それほどの規模ではないかと推測します。また、個人保証はないものの、不動産担保も取っていると注記されています。

このように、偉い人との取引は、きちんと開示されております。もちろん、これは「経理の状況」の一部ですので、会計監査人(監査法人)の監査対象になっております。

さて、D社はどのように開示されていたでしょうか。
興味を持った方はぜひ、見に行ってみましょう。


有価証券報告書の読み方につきましては、こちらをお勧めします。

有価証券報告書(会社情報の宝庫)の見方・読み方

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では、次のエントリーでまたお会いしましょう。ノシ

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