異界に転生して世界とか救っちゃうお話・・ではないけど。
本日のお題はこちら。
- 作者: 前野ウルド浩太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: Kindle版
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※内容についてのネタばれを含みます。未読の方はご承知のうえ以下をお読みください。
読む前は、こんなお話かと思っていました。
バッタの研究で博士号を取ったものの、就職の道が険しいため遥かアフリカのモーリタニアへ・・
科学の力で人々を苦しめるバッタの大群を退治して国を救済して英雄となり、大統領から名誉ある「ウルド」のミドルネームを授けられる・・
・・違いました。
「バッタを退治する画期的な方法」はさっぱり本書内には出てきません。
そもそも、なかなかバッタに出会うことはできず、フランスへ行ってファーブルの生家を訪れて感激したり、
日本へ一時帰国して京都大学の研究員面接に行ったり、
雑誌編集者と出会ってweb連載をもらったり、
ニコニコのイベントに出たり。
まだ研究は途中なのでしょうし、異世界冒険譚として最高に面白いので問題ないかと。
いちばん印象に残ったのは、バッタを観察する前に殺虫処分されないようにお願いするため、スタッフたちに丸々一頭のヤギをプレゼントし、一緒に食べて人々の心を掴む場面です。
夢をかなえる人っていうのは、こういうふうに行動して人々に支援されて目指す所へ辿り着こうとするんだな、と。
見るものすべてが新しい子どもの頃のワクワク感、思い出させてくれる一冊でした。
まだお読みになっていない方もぜひぜひ。