すらすら日記。

すらすら☆

世界は「幼年期の終わり」に差し掛かっている?

本日のお題はこちら。

著者が金融業界出身の方であり、私が前提知識がある金融政策の話なども多いのでさらっと読み終えました。

本書の提示する現在の世界の様子は次のようにまとめられるでしょうか。

過去500年ほど続いてきた経済成長の時代はもう終わりつつあるのに、社会システムは成長が続くことを前提にしている。

もはや不可能な成長を求めて異次元金融緩和などの無理な政策が行われているが、それはあまりに複雑で難しいのでほとんどの人々は理解できない。

でも、なんとなく感覚で「ちょっとおかしい、無理じゃないか」と感じ取っているので、未来をひどく不安に感じているのではないか・・

というものでしょう。

日本が一神教の世界ではなく、ユニークな国である、という視点には必ずしも全面的に賛同するものではありません。

もはや、日本の経済社会は「定常経済」になっているという見方は、今、読んでいるこちらにも近いものです。

経済学私小説〈定常〉の中の豊かさ

経済学私小説〈定常〉の中の豊かさ

日本はそのユニークさを生かして、無理な政策による経済成長を求めるのではなく、精神的な世界を求めるステージへ行くべきだ・・というのでは、こちらを思い出してしまいました。

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)


ひょっとすると、世界は新しい別の形に変わろうとしているのかもしれないな、とも。

途中の論理展開や結論はぶっ飛んでいる部分もありますが、元・金融実務家らしく、冷静な現状認識の仕方は共感できるものです。

金融の話ばかりではなく、現代アートの隆盛の意味しているもこと話も面白ったです。



軽妙な文章でさらりと読めますので、ぜひ。


すらすら日記。は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。