「誰が発言した」ではなく、「何を言っているか」という視点を。
まだ読み終わっておりませんが、非常に興味深く面白い本なので一部を少々ご紹介。
- 作者: 川本裕子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: Kindle版
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金融機関に限りませんが、日本の大企業において長期雇用慣行の下、右肩上がりでの経済成長を体験してきた組織は、組織の保守化・硬直化が生じやすいとされます。
その組織風土を客観的に測定・評価するツールとして、「属人思考」という概念が提唱されていると。
属人思考とは・・問題の把握・解決策の策定にあたり、
何が問題であるかという「内容」の視点よりも、
誰がその問題点を指摘しているかという「人」の視点が優先する思考様式であります。
属人思考の強い組織では、問題点を指摘するスタッフの意見は、「内容」に関わらず「敵対関係の表明」と受け止められてしまい、客観的な検討がされないという状況となります。
そして、致命的なのは、属人思考が強い組織でも、上位役職者ほど自社は「内容」判断している、「誰が発言しているか」では判断していないと思っている傾向が強いとされると。
このエントリーを読んで、痛い点を突かれたと思う方は、まだ自らの組織の状況を客観視できているおり、反発を感じて自社はそうではないと思う方は、その罠にもうとらわれてるかもしれません。
内容では無く、「誰が発言したか」で判断している組織では、意見を言うことは「敵対行為」「波風を立てる行為」であり、問題点に気付いていても、いつの間にか誰も何も言わなくなります。
さて、周りをもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか。