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「会計入門」の一歩先を学ぶために。(その4)

第4回、IFRS編です。

日本の会計制度は世界の中で独立して制定されているわけではなく、国際的な会計基準の影響を受けています。
国際的な会計基準とは、IFRS国際財務報告基準)や米国基準(USGAAP)などのことですね。
企業が国際的に事業活動を行い、世界の市場から資金を調達する以上、会計基準は世界的に統一されたものでないと、それぞれの企業が行う財務報告が比較できない。
そのため、世界の会計基準は共通化が進められてきたわけですね。

日本基準も、国際的な会計基準との共通化を進めるため、新しい基準が次々と制改訂されてきました。
会計基準のコンバージェンス(収斂)と呼ばれるものですね。

日本基準をIFRSに合わせて少しづつ改正していくコンバージェンスから一歩進めて、IFRSをそのまま日本の全上場企業に強制的に適用すべきかという議論が数年前に巻き起りました。IFRSのアドプション(アダプション)と言われるものですね。

世間はにわかにIFRSブームとなり、会計の本にはなんでも「IFRS対応版」みたいな副題がつくようになりました。IFRSのことをよく理解していないインチキな本も多かったですね。*1
その後、東日本大震災と自見大臣談話を経て、IFRSの全上場企業への強制適用は遠のいたようです。

しかし、商社や製薬会社、ハイテク企業など、国際的な活動を展開している企業が次々とIFRSの任意適用を進めています。現在、適用済みは68社、適用を表明している企業も23社。www.jpx.co.jp

わずか100社弱と数では少なく見えますが、その企業の東証時価総額に占める割合はかなりのものです。
IFRSのなんたるかを知らずして、会計を語ることはやはり不可能でしょう。

インチキなIFRS本はだいぶ淘汰されましたが、やはりたくさん出ておりますので、どれを選ぶべきか迷われることでしょう。
IFRSテキストのなかで推薦できるものを挙げます。

IFRS会計学基本テキスト(第4版)

IFRS会計学基本テキスト(第4版)

橋本先生のIFRS会計学基本テキスト。第4版まで来ました。
こちらは「IFRSのさわり」を学ぶためには良い教科書ではないかと思われます。

エッセンシャルIFRS(第4版)

エッセンシャルIFRS(第4版)

IFRSを深く考えて学ぼうとするなら、やはり秋葉先生の「エッセンシャルIFRS」を推薦いたします。
ただ、考えながら読まなきゃならないテキストなので、会計学の基本がわからないままではこの本は難しいかもしれません。
繰り返し読み込むことでIFRSの「本質」が把握できるのではないかと思います。


もう少しだけ続きます。

*1:IFRSでは出荷基準や定率法の減価償却は絶対に認められないみたいな一面的な断定をしちゃう本とか。

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