理解できない金融商品は購入しないというシンプルなお話。
世の中で販売されている様々な商品のなかで、投資信託や変額年金保険などの金融商品ほど理解が難しいものはないのではないでしょうか。
ある程度、資産がある方なら、金融機関の営業員がわざわざ自宅まで訪問してくれ、熱心に、丁寧に説明して金融商品を勧めてくることでしょう。
昨今は、コンプライアンス重視が徹底していますから、お客さんが説明を「理解できました」と意思表示しなければ、無理に売り付けられることはない、という建て前になっています。
投資信託のうち、依然として売れ筋は毎月分配型で、分配金の多寡を競い、ハイリスクな新興国通貨や複雑なデリバティブを組み合わせた高コスト商品も盛んに販売されるようになりました。
もちろん、投資信託もいろいろでして、シンプルで低コスト・長期的な資産形成に向くものもありますが・・
「高金利である新興国通貨建てで、利回りの高い米国ハイイールド債に投資します。さらに超過リターンを追求するために○○オプションと△△先物取引を機動的に組み合わせて・・」などと説明されて、金融を専門としない方が、理解できるでしょうか。
いえ、これでは私でも理解できません。
商品内容が理解できていなければ、相場変動があった場合でも、なぜ、自分の購入した投資信託が損失を抱えることになるのか、本当のところは理解できないし、先行きもわかりません。
そして、よくわからないまま損失を出して、販売先である金融機関に不信を抱くのはもちろんのこと、自分自身の金融商品購入という自分の選択を後悔することに。
最悪なケースは、自分の選択ミスを認めたくないがゆえに、いつまでも回復の見込みのない投資信託を抱え続ける場合でしょうか。
金融機関の営業員は、仕事ですから、ルール・建て前を守ったうえですが、いろいろな金融商品を勧めてきます。
それに対して、自分の大切な財産を守るために。
自分の理解できない金融商品は購入しない。
そして、理解したふりもしない。
こういうシンプルな原則を守るのが、最初の一歩だと思います。