あなたには、まわってこない。
「財政が苦しいなら、大企業への課税を強化すればいいんだ!」
共産党や社民党、市民活動をされている方は、
よくそのように主張されます。
この主張は、大企業が黙って増税を受け入れ、
増税分だけ当期純利益が減少することを甘受する
ということを前提にしているのではないかと思われます。
法人税の増加=当期純利益の減少=株主の取り分の減少です。
株主総会で選出される企業経営者は、黙ってそれを
受け入れるでしょうか。
当期純利益の減少すれば、配当の減少や将来の成長の鈍化を
危惧してかなりの株主が株式を売却してしまうでしょう。
また、機関投資家など大株主は、当期純利益の水準を維持するように
無言有言で働きかけてくるかもしれません。
市場の圧力というものですね。
経営者は、どうにかして利益を確保しようと、
働いている従業員の給与水準を切り下げしたり、
期間従業員や派遣社員の解雇を行うかもしれません。
あるいは、仕入れ先へ値下げ圧力をかけるかもしれません。
可能ならば、製品の値上げも試みるでしょう。
そう、増税分のかなりの部分は「転嫁」されてしまうのです。
冒頭のような主張をされる方が属しているのは、
弱い立場である期間従業員、派遣社員、下請け・・である
ケースが多いかもしれません。
そして、国庫へ納められた増税分は、
主張している方へ分配されるとは限りません。
あなたには、まわってこないのです。