世界の歪んでいる部分だけを見ているの?というお話。
自分で「世界の真実」に気付いたと信じている方にとって、その世界は自分の信じている方向に歪み、不正に満ちていなければ都合が悪いのではないかと思われます。
政府は金持ちに奉仕して弱者を弾圧ばかりしている。
官僚は陰謀をめぐらして国民を窮乏化させようとしている。
大企業は不正な手段で不当な利益をあげている。
もちろん、それらは事実無根なわけではなく、一面として、当たっている部分もあるのかもしれません。
しかし、政府は富裕層の顔色を伺いつつも弱者にも配慮していますし、官僚は省益を図りつつも国民の福利を考えており、公正な商取引をしている大企業だってたくさんあるわけです。
それにもかかわらず、真実に気付いた方々はそれらは意図的に無視し、自分が気付いた歪みの証拠を集めることばかりに夢中になっているようにも。
世界は、そんなに幸せばかりに満ちた幸福な場所でもありませんが、それほどの悪意と歪みに満ちた場所でもないように思います。
もし、世界を少しでも良くしたいなら、歪みばかり着目するのではなく、良いところも含めて事実をみて、その上で何か考えるべきではないかと。
明日は今日より悪くなるしかない、と叫びたてる「真実に気付いた方々」の言葉を見かけ、そんなことも感じております。