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銀行の財務報告を読む。(その2)

さて、続きです。
有価証券報告書は前の「その1」のエントリーのリンクを参照願います)

5年間の財務数値のダイジェストがまとめられているわけですが、事業会社の財務分析の知識でこれはヤバいと思った方もいるのではないでしょうか。

なんと、営業キャッシュフローが19年3月期〜21年3月期で3期連続赤字!
自己資本比率5%前後!
これわヤバい!!

・・問題ありません。

営業CFの赤字も、自己資本比率も何の問題も無いことは後ほど解説するとして、今日は、経常収益に対応する経常費用を説明いたしましょう。

経常費用は次のように構成されています。
経常費用=①資金調達費用+②役務取引等費用+③その他業務費用+④営業経費+⑤その他経常費用。

①資金調達費用・・預金利息を始め、コールマネー利息、社債利息、借用金利息など。
②役務取引等費用・・支払為替手数料、ローン保険料、アウトソーシング手数料など。
③その他業務費用・・国債等債券の売却損、外国為替売買損など。
④営業経費・・人件費、物件費、租税公課など。
⑤その他経常費用・・株式等売却損、株式償却、貸倒引当金繰入、債権売却損など。

経常収益から経常費用を差し引くと、経常利益になりますね。

あれ?売上総利益や営業利益は??

銀行業にそれらの項目は出てこないのです。じゃあ、粗利益や本業の収益力を示す利益が無ければ、銀行の実力が判断できんじゃないか!

そのためには「業務粗利益」「業務純益」という銀行業独特の指標があります。
こちらは次回!

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