自ら居住している地方自治体をモニタリングするために。

競争すれば勝者と敗者が生まれ、世の中が荒むから
みんなで仲良くしようというのは一面的な理想であります。

そのような主張をする方は、競争というと誰かを犠牲にして
誰かが得をするような場面ばかり（ゼロサム・ゲーム）
想像しているのではないでしょうか。

さて、地方に住む住民にとって、
地方自治体が所定の成果（公共サービス）を
実現するための最低限必要な費用
（費用関数）を知ることは難しいです。
公務員数が過剰なのか、不足しているのかを
判断する基準はなく、
たまたま窓口で見かけた公務員が怠けていた、
対応が丁寧だったなどの
いわば偶然の印象により
判断を形成しているのかもしれません。

株式投資をする際は、同業種の類似企業を比較しつつ、
投資先を決めるでしょう。
これと同様に、地方自治体においても
住民の支持を得られるように
より少ない公費でより良い公共サービスを
提供しようと互いに競争します。
これを、ヤードスティック競争と呼ぶそうです。
米国においては、このヤードスティック競争が
州知事の再選にどのような影響を及ぼしたか
との実証研究がなされているとも。

ひるがえって日本では、地方自治体の情報公開については
ようやく始まったばかりで、他の自治体との比較による
地方自治体間の「良い競争の促進」はこれから、
というところとも聞きます。

国による複雑な地方財政への影響力行使の状況など、
絡まり合った複雑な対象ではありますが、
自ら判断できる知識を磨きつつ、
一納税者として自治体を監視できるようになりたいと
感じている今日この頃であります。