「嫌われている」職業集団のイメージ形成についてのお話。
世上では、嫌われている職業というものがあります。
公務員・銀行員・マスコミでしょうか。
いわく、
「公務員は、融通が効かなくて堅苦しい、楽ばかりしているクセに給与だけは高い」
「銀行員は、陰湿な体質で理不尽なことばかり強い、さらに考える力も無い」
「マスコミ記者は、偏見と思い込みばっかりで捏造ばかりしている」
こんなところでしょうか。
もちろん、この「イメージ」はまるで的外れというわけではなく、中にはそういう人も多いのでしょう。
実際に、その一つの集団の中におりますので、全面的な否定は難しいものと思われます。
時に、こんな記述を読みました。
人間は、自らを取り巻く環境の中から都合の良い情報だけを選択的に吸収して事実として認識する。ある社会集団に否定的な印象を抱く人々はその集団について否定的な情報を積極的に集めるため、結果としてその脅威を一層強く感じ、その規模を過大評価する
つまり、もともと「嫌われている」職業集団について、嫌いだという感情を抱いている方は、それを確認する情報を選んで集めてしまい、その信念を強くしていくわけです。
その職業集団のなかにも、ステレオタイプなイメージには該当しない「善良な」人間もいるはずです。
でも、最初からその存在は無視されるのでしょう。
このバイアスは、人間の集団についての認識だけでは無く、いろいろな事実認識の場面であてはまりそうです。
何が本質か。
それを見極める前に、軽々しく集団の特性を一般化しないようにしたいと思います。
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