すらすら日記。

すらすら☆

じゃぶじゃぶのお話。

一般に想像されているのとは異なり、銀行の大金庫には札束が山積みになっているわけではありません。

現金は、金の延べ棒と同じく、現物を保有しているだけではまったく利息を生みません。
預金で集められた資金は、最低限の預金支払い準備用の現金保有を除いて、できる限り他に貸出して利息を稼ごうとします。

知られている通り、企業向け貸出は低迷する一方であります。
銀行の営業担当は必死に優良な貸出先を探しておりますが、良い先は競合が激しく、貸出金を伸ばすのはなかなか難しい実情です。
住宅ローンもフラット35も含めた激しい貸出競争に晒されていますね。
地域金融機関では、預貸率(預金に対する貸出金の比率)はせいぜい60%もあればいい方で、信金信組では5割を切っているところも。
貸出金の利回りは、せいぜい2%もあればよいほうです。

次に、有価証券運用を考えるわけですが、期間の長い国債は金利上昇時の価格下落リスクがありますので、せいぜい残存4〜5年程度。
新発の5年物国債の利回りは0.35%前後しかないので、よりリスクの高い証券化商品や私募投信なども組み合わせて、1%で回れば嬉しいというレベルです。

貸出金以外の資金を全て有価証券投資に回せるわけでは無く、銀行の保有する自己資本の厚みによって、許容できるリスクが決まっておりますので、これを超えた分の資金は、ほぼリスクフリーであるインターバンク市場のコールローンへ流すことに。*1コールローン翌日物の利回りは、0.1%を切っています・・

最後にどうしようもなく余ってしまった現金は、日本銀行の当座預金へ預けられます。
本来、これは無利息なのですが、準備預金を超えた分は0.1%で付利されるのです!
これは残念ながら、どこにも行かない資金です・・

地域金融機関による資金供給はこのような流れです。
預金はどんどん集まるので、資金はじゃぶじゃぶに余っております。
多少の金融緩和や、はたまた日本銀行による30兆円程度の国債引受で景気が上向くとは到底、思えません。

資金の出し手は、「うひょー!」なビジネスを待っています。
現行の銀行システムはベンチャーへの直接投資には向きませんが、雇用の増加や企業の成長過程で貸出機会は増えて行くものと期待しています。

じゃぶじゃぶな資金を借りられるようになってみませんか?

*1:コール市場で貸し借りする銀行は国債などの担保をとっていますので、事実上、無リスクです。もちろん無担保でのコールローンもあります。

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