どう切り取る?
リスク管理をめぐる問題にしばらく頭を悩ましておりましたが、
この違和感と頭の混乱の原因は
財務報告とリスク管理はまた別物であるにもかかわらず
自分の認識の視線が財務報告側に偏り過ぎているためではないか、
と考えるに至りました。
財務報告は会社の置かれている状況を
シンプルに切り取って見せてはくれますが、
それは会社の株式を買うべきか売るべきか・・という
投資家の意思決定有用性に役立つか、との視点で
その認識と測定の約束事のルールを定めて
一面だけを表わしているにすぎないわけで、
企業の置かれている状況を
全一的に把握できるわけではありません。
経済社会の一つのピースに過ぎない一企業ですら
多くの人間が関わる多面的なキメラのような存在であるのに
一個人の認識力で見ることにはなかなか難しいものであります。
現代の複雑な社会は猥雑で、多くの人間の意思が複雑に絡み合い
相互に影響しながら動いていっています。
それでも、生きているうちは
社会を何とか切り取って理解しようとあがいています。
そのために、今夜も刃を研ぐのであります。