金利リスクって何?
ちょっと市場リスク開示の話はお休みしまして、別の話題を。
最近は金融の専門誌だけではなく、
一般の週刊誌などでも国債の金利リスクについて
記事が書かれることが多くなりました。
金利リスクって、そもそも何?という話から。
国債は基本的に固定利付債券で、
発行されたときに決められた利率で半年ごとに利払いされます。
新しく発行される国債は市場金利を参考に決められるのですが、
市場に流通している国債はそれにつられて値段が動きます。
1年に1%利払いしてくれる国債Aと、
1年に2%利払いしてくれる国債Bが
流通しているとすると、AとBは
ちょうど同じ価値になるだけ価格が変動するのです。
新規に発行される国債Bが2%(金利上昇)だとすると、
年間1%しか利払いしてくれない国債Aは価値が下がりますよね。
これはクーポン(約定利率)だけではなく、
満期償還までの期間も影響します。
期間が長ければ長いほど、価格の変動幅も大きくなります。
国債は満期まで保有すれば額面で償還されるため、
なぜリスクがあるの?という疑問もあるかもしれません。
それは、今日の会計基準では、
長期的には売却可能性のある「その他有価証券」に区分する
債券の含み損は純資産の部から控除しなければならないからです。*1
これは損益計算書を通さず、純資産直入というバランス同士の振替になります。*2
なお、満期保有目的とした場合はこの純資産の減少は起こりませんが
満期までに売却することができませんので*3
得べかりし市場の高い金利を享受できないという事態になります。
金利リスクというのは純資産の減少および得べかりし市場金利を取れない、
という事態を指していることが多いです。
株式や為替に比べ、債券に関しては
なかなか易しいテキストがありませんが、
こちらをお勧めします。
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ただし会計処理についてまでは詳しく書いてある本はなかなかありません。
本ブログで易しく解説していきたいと思います。
〜追加〜
財務会計上の区分で金利リスクを語るのは少々違和感があるとのコメントをいただきました。この辺は自分も理解できておりませんので、後ほどエントリーを立てて再考したいと思います。